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朝早く、自然と目が覚めた。
携帯の液晶画面を光らせると、まだ6時頃だった。
今日は休みだから、もう少し寝ようとポジションを変えた時、グッと風磨の腕に後ろから抱かれた。
「風磨?」
返事が無いから寝ぼけてやった訳ではないらしい。
寝てる間の無意識なら怖い。
でも、嬉しい。
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綺麗に二度寝していたらしい。
もう一度起きた時に見た時計は12を指していた。
隣に風磨は居なくて、寝室の外からは物音が聞こえた。
まだ眠く重い体を無理矢理起こして、リビングへと足を運ぶ。
「あ、おはよう。」
「おはよ...何してるの?」
風磨は一旦帰ったのか服を着替えていて、なにやら掃除らしき事をしている様子だった。
「軽トラで来てくれる奴がさ、今日空いてるからって。急だけどいける?」
「んー、ほぼほぼ風磨の家にあるし、なんとか。」
「分かった。手伝える事あったら言ってね。」
"Aちゃん起きたし一旦休憩〜" なんて風磨は外へ出て煙草を吸い始めた。
ふと、端に目をやると、空き缶が無かった。
あぁ、風磨捨ててくれたんだ。
煙草を吸う姿すらカッコいいと思ってしまうのは重症だろうか。
もう、なんか、風磨の全部がカッコよく見える。
暫くソファーに座って風磨を眺めていると、インターホンが鳴った。
画面には、知らない男の人が写っていた。
「あ!ごめんごめん。ソイツ軽トラの奴だわ。」
「そうなの?なら出るね。」
ベランダから顔を出した風磨は、携帯の画面を見せてきた。
どうやら、もうすぐ着くとの連絡が来ていたらしい。
「あ、こんにちは!俺風磨くんの友達?の岸っす!」
「すみません。ありがとうございます。」
友達 の後に ? が着いたのは少し引っかかったけど、まぁ、いいや。
作業着を着ている岸くんは、恐らくそういう類のお仕事をしているんだろう。
「岸!」
「はい!」
「とりあえずこの辺の家具積んで。」
「了解っす!」
風磨くんと岸くんのやりとりをぼーっと見ていると、風磨が寄ってきた。
「岸、後輩でさ。建設業してる。」
「なるほど。」
せっせと動いてくれる岸くんを横目に、私も残りの荷物をダンボールに詰めていった。
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はる(プロフ) - あらたさん» あらた様 うわー!本当ですね!すみませんご指摘ありがとうございます!これからも当作品をよろしくお願いいたします。 (2017年11月6日 2時) (レス) id: ab803b53a8 (このIDを非表示/違反報告)
あらた(プロフ) - 設定に変わってしまっているのかなと思います。なにか考えがあってでしたら申し訳ありません。これからも更新楽しみにしております! (2017年11月5日 4時) (レス) id: b48a22250f (このIDを非表示/違反報告)
あらた(プロフ) - こんばんは!初めまして。作者様の書かれるストーリーだけでなく、言葉や作品の雰囲気やリズムなど全部がツボです(;_;)作者様のお話が大好きです〜!それと私の間違いだったら申し訳ないのですが、68では主人公は夏生まれとなっていますが70では11月?あたりの→ (2017年11月5日 4時) (レス) id: b48a22250f (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 未空さん» 未空様 もったいないお言葉をありがとうございます!これからもよろしくお願い致します。 (2017年10月26日 1時) (レス) id: ab803b53a8 (このIDを非表示/違反報告)
未空(プロフ) - 今1番好きな作品です!続き楽しみにしてます! (2017年10月24日 0時) (レス) id: 0d0a977df5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はる | 作成日時:2017年9月13日 2時