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分かってた。

結局は右手を上げても止めてくれないってことくらい。









「言ったのは風磨なのに。」

「ごめんごめん。Aちゃんが可愛くて。」









そんなの言い訳にならない。

っていうか、だから、何回も言うけど、私に "可愛い" は似合わないんだって。









「風磨、絶対雨の日好きでしょ。」

「そうかもね。雨の日はずっとこうして居られるし、やりたい時にやれるし。やり放題だし。休日の雨の日サイコー。」









腕枕してる腕と反対の腕を突き上げる風磨。

また、もう呆れるくらい見てるのに、そのふにゃっとした顔を見たらもうなんでもどうでもよくなっちゃう。








私の頭は単純だ。









「Aちゃんは、どうして雨が嫌いなの?」

「...」

「まだ、話したくない?」









別に、話したくない訳じゃない。

隠すほどのことでもないし、うん。





ただ、理由を聞いて風磨が離れていくのなら、話したくない。

やだ。それだけはやだ。それなら雨を克服するために頑張る。...具体的な策は無いけれど。









「いいよ、引かれるし。」

「引かない。俺にくらい教えてよ。」









風磨が優しく頭を撫でた瞬間、寝室からベランダに通じるガラス張りの戸の隙間から、激しい風の音が聞こえた。





そうだ、今日の天気は雨だったんだ。






激しく打ち付ける雨の音、風の音。

自分の身体がカタカタと震え出すのが分かった。









「Aちゃん?」

「やだっ、やだっ...っ、」









未だに聞こえる騒音に近いその後に、私はギュッと目を瞑って、両手で耳を塞いだ。

そのすぐ後、バサッという音と共に、暖かい何かに包まれた。









「大丈夫。俺がいるから。」








驚いて目を開くと、暗闇の中に風磨の顔が至近距離で見えた。

寒くなってきたからと出してくれた肌触りの良い毛布を頭まで被って、風磨は私を抱き締めてくれていた。





恥ずかしくてふと視線を逸らすと、まだお互い何も身につけていない状態だった事に気が付いた。






「うわ、やっ...」

「ん?あぁ(笑) ずっとこれだったんだから、どうして今更恥ずかしがるの?」

「うるさい。」








なんだか、風磨の思うツボな気がして、少し腹が立った。

それでも、音が聞こえないようにしがみつく私の耳を、風磨が覆ってくれていたから、私は安心してそのまま眠りについていた。








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はる(プロフ) - あらたさん» あらた様 うわー!本当ですね!すみませんご指摘ありがとうございます!これからも当作品をよろしくお願いいたします。 (2017年11月6日 2時) (レス) id: ab803b53a8 (このIDを非表示/違反報告)
あらた(プロフ) - 設定に変わってしまっているのかなと思います。なにか考えがあってでしたら申し訳ありません。これからも更新楽しみにしております! (2017年11月5日 4時) (レス) id: b48a22250f (このIDを非表示/違反報告)
あらた(プロフ) - こんばんは!初めまして。作者様の書かれるストーリーだけでなく、言葉や作品の雰囲気やリズムなど全部がツボです(;_;)作者様のお話が大好きです〜!それと私の間違いだったら申し訳ないのですが、68では主人公は夏生まれとなっていますが70では11月?あたりの→ (2017年11月5日 4時) (レス) id: b48a22250f (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 未空さん» 未空様 もったいないお言葉をありがとうございます!これからもよろしくお願い致します。 (2017年10月26日 1時) (レス) id: ab803b53a8 (このIDを非表示/違反報告)
未空(プロフ) - 今1番好きな作品です!続き楽しみにしてます! (2017年10月24日 0時) (レス) id: 0d0a977df5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はる | 作成日時:2017年9月13日 2時

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