ノンフィクション。Fuma.K 2

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「俺、禁煙するね。」

「え？」

「あと、お互いに嘘が嫌いだから、嘘はつかないでおこうね。」

「そんなの、分かんない。」









人は、誰しも嘘を付くものだ。

子供から大人まで、人を傷つけるものから守るものまで、嘘の種類は様々だ。









「でもね、Aちゃん。人は好きなものが一致するより、嫌いなものが一致した方が関係は長続きするんだよ。」

「意味わかんない。」

「そういうもんなの。深くは考えなくていいから。」









でも、確かに。

私と勝利は、食べ物も映画も色も好きなものが全く違うのに、嫌いな人や風景や音は一緒だ。



対して聡とは、たまたま好きな漫画が一致した。

話が盛り上がって、いい具合になって付き合った。と、同時にお互いに好きなものや嫌いなものが真反対だった。





じゃあ、風磨とは？









「分かんない。」

「頭で考えても分からないに決まってるよ。あれだよ、あのー、こういうのはさ、感じる、ってやつ。」

「...何で赤くなってるの。」

「うるさい。」









珍しく立場が逆転して、面白い。









「ていうか、まだ煙草吸うんだ。」

「吸うよ。たまにね。車匂いしなかった？」

「あー、気にして無かった。」

「大して嫌いなわけじゃ無いとか？」

「んー、まぁ、元カレが吸ってたから。ちょっと嫌になっただけ。」









いつもそうだ。

元カレの話をするとそうやってすぐに不機嫌になる。





風磨は意外と分かりやすい。

不機嫌になったら必ず顔にでる。

もうそれはそれはご丁寧に、おもいっきり。





まぁ、元カレ...聡の話をする私も悪いんだけど。









「分かった。元カレの話するのも禁止にしよう。」

「うん。風磨もね。」

「まぁ、元カノと呼べる女は居ないけどね。」

「...そっちの方がサイテー。冷めるわ。」

「ごめんごめん。」









さっきまでの不機嫌顔はどこへいったのやら。

また、いつもみたいにふにゃふにゃと笑う。









「もーやだ。風磨なんて嫌いだ。女をなんだと思ってるの。」

「怒んないでよ。Aちゃんの事はそんな風に思ってないから。」

「思ってたとしたなら今すぐここを出て行かせてもらうわ。」









結局は釣られて私も笑っちゃう。

あーもう、敵わない。悔しい。





でも、好き。









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