ノンフィクション。Fuma.K 2

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「ねぇ、」

「ん？」

「さっきの...レイカさんの彼氏って...」

「え？あぁ。松島聡だよ。知ってるっしょ？」









知ってるに、決まってるじゃない。









「でもAちゃん、アイツの授業取ってなくない？確か動物論とかじゃなかった？」

「うん、取ってないよ。」

「だよなー。レイカは柄にもなく獣医になりたいらしくてさー。でも松島の授業って眠い上に為にならないって有名らしいし。」









そう。聡は、去年の春大学の講師になったばかりだ。









「ん？どうかした？」

「ううん。レイカさん、獣医になりたいんだね。」

「似合わないよなぁ。あれでもペット5匹くらい飼ってるらしい。」

「多いね。」

「犬とインコとハリネズミと〜、後忘れたわ。」









その後も、レイカさんの話をずっとしていた。

仲良いんだ。

そんなに仲が良いのに、何にも無いって本当？









「あ、そういえばさ。」









自然と手を繋いで歩いていたから、相手が止まると私も後ろに引っ張られるようにして止まった。









「Aちゃん、俺のことなんて呼んでる？」

「...アンタ、とか？」

「名前で呼んでよ！もう俺ら恋人なんだから。」









そう言って口元に手を当てて目を逸らす。

自分で振っといて照れるなっつーの。









「ふーま。」

「え？」

「は？違うの？」

「そこは最初 "じゃあ菊池くんね" とか言って俺が "なんでだよ風磨って呼べよ" っていうやりとりがあるもんじゃないの？」

「面倒。」

「ははっ、Aちゃんらしくていいや。」









だから、そのふにゃって笑うの反則だって。

不覚にも可愛い、って思っちゃうじゃん。









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