ノンフィクション。Fuma.K 2

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「俺もさ、弟と妹いるんだ。」

「そうなの？」

「うん。まぁ、正確には "いた" なんだけどさ。」









切なげに笑いながら、一口、コーヒーを飲んだ。









「3個下の弟は元から身体弱くてさ、俺が7歳の時に死んだ。5個下の妹は、去年、交通事故で死んだよ。」

「えっ、...」









言葉が出なかった。

キョウダイがいる事も、そんな辛い経験してた事も。




だって、あんな生活してるくせに。

そんな、ドラマみたいなこと、起きるもん？









「なんか、ごめん...」

「ううん。いいの。分かるからこそ助けたかった。」









また、涙が止まらなくなった。

ダメだ。泣きすぎだ。明日学校なのに目が腫れる。









「もー、泣きすぎ(笑) 明日目腫れるよ？」

「うるさい、分かってる。」









ほら、また可愛くない私。









「ねぇ、Aちゃん。」

「なに。」

「俺ら、付き合わない？」









だから、どういうタイミング？

嬉しいのは嬉しい、けど。









「弱ってるとこに漬け込んでるの？」

「ははっ、バレた？その通り。」

「ばーか。...いいよ。」

「...えっ？」









ビックリしたのか、目を見開いて驚いてる。









「ふふっ、バーカ。いいよって言ってんの。」

「え、嘘。なんで？俺のこと嫌いなんじゃないの？」

「嫌いだよ。嫌いだけど、好きなんだよ。」









矛盾してることなんて、分かってる。

前まであんな毛嫌いしてたくせに、今は好きだなんて。









「じゃあ、今から俺はAちゃんの彼氏だ。」

「ニヤけないで、気持ち悪いから。」

「まぁ、嬉しいからね。」









勝利や健人先輩の忠告を無視した。

そりゃ、こんな遊び人と付き合う、なんて。

結果は見えてるから。期待もしない。




でも、好きなんだから仕方ないじゃない？




なんて言ったら、また勝利に怒られるかもしれない。









「裏切ったら 殺 す から。」

「怖。」

「遊び人の彼氏かー。先が思いやられる。」

「大丈夫。今本当にAちゃんじゃないと勃たないから。」

「は？」

「あ。」









2人向き合って笑うこの時間が続くならば、それでいい。









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