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「お疲れ様でしたー。」
午後23時。
いつも通りバイトを終えて、家に帰る。
お店を出て、ふと空を見上げると、都会の割には綺麗な星が光っていた。
「なーに見上げてんの。」
聞こえた声に横を向くと、アイツが居た。
裏口横の従業員休憩用のベンチに座り、液晶画面から目を離さずに煙草を吸っていた。
「やっぱストーカーじゃん。」
「ははっ、そうかも。ま、知らない人にストーキングされるよりはマシじゃない?」
お得意の片方の口角だけ上げて、白い煙を私がいない方に吐いてから、置いてあった灰皿に煙草を押し付け火を消した。
「んー、今日どっちにする?」
「なにが?」
「俺の家かAちゃんの家。」
「は?意味分かんないし。」
なに?そういう目的だけで私のバイト先まで来たの?
「最近さ、Aちゃん居ないと寝れないの。」
「え?」
「前までは1人の方がぐっすり寝れたのにな〜。」
意味分かんないし。私は1人の方がぐっすり寝れるから。
「でもAちゃんの家のベッド狭いよね?この前チラッと見たけど。」
「なっ。」
「だから、俺の家でいい?」
「無理。行かないから。私は疲れてるの。」
無視して家に帰ろうと、私は自分の家の方向に体を向けて歩き出す。
「ねぇ。」
「...」
「お願い。マジでAちゃん居ないと寝れないんだって。」
「人肌恋しいとか?」
「んー、それ、かな?」
「なら、他の女の子でもいいんじゃない?」
あー、また私は可愛げの無いことを。
「無理、Aちゃんがいい。」
「うるさい。私は1人で寝たいの。アンタといると調子狂うから!」
「えっ?」
あぁ、また墓穴を掘った気がした。
「それに...煙草臭い人間は部屋には上げないから。」
目を見開いて固まるコイツを置いて、私は足早に家へと戻った。
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はる(プロフ) - あらたさん» あらた様 うわー!本当ですね!すみませんご指摘ありがとうございます!これからも当作品をよろしくお願いいたします。 (2017年11月6日 2時) (レス) id: ab803b53a8 (このIDを非表示/違反報告)
あらた(プロフ) - 設定に変わってしまっているのかなと思います。なにか考えがあってでしたら申し訳ありません。これからも更新楽しみにしております! (2017年11月5日 4時) (レス) id: b48a22250f (このIDを非表示/違反報告)
あらた(プロフ) - こんばんは!初めまして。作者様の書かれるストーリーだけでなく、言葉や作品の雰囲気やリズムなど全部がツボです(;_;)作者様のお話が大好きです〜!それと私の間違いだったら申し訳ないのですが、68では主人公は夏生まれとなっていますが70では11月?あたりの→ (2017年11月5日 4時) (レス) id: b48a22250f (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 未空さん» 未空様 もったいないお言葉をありがとうございます!これからもよろしくお願い致します。 (2017年10月26日 1時) (レス) id: ab803b53a8 (このIDを非表示/違反報告)
未空(プロフ) - 今1番好きな作品です!続き楽しみにしてます! (2017年10月24日 0時) (レス) id: 0d0a977df5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はる | 作成日時:2017年9月13日 2時