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道場に着けばすぐに向かうのは母屋の少し離れにある倉庫

お兄さんの部屋


『お兄さん、ただいま』

「おー、A。おかえり」

バイクをいじりながら顔だけ私の方に向ける
あの時から変わらない綺麗な笑顔

「これからまた稽古?」

『うん、その前に挨拶しておきたくて』


私とお兄さんの関係は、あの日からだいぶ変わった。

「そうか、頑張ってこいよ」

出会った時とはまるで違う。セットされてない髪の毛。私としてはあの時の髪型はダサかったから良かったななんて。

『うん、頑張ってくる』

私の言葉を聞けば頭を撫でてくれる。
素直に嬉しい。


「稽古終わったら、ここ来るか?」

『当たり前じゃん。』

「ははっ、したら待ってるな」

『うん!』



《真一郎の奴、前までずっと女の尻追っかけ回してたのに、最近追っかけてねぇ》

《俺だってな、落ち着くんだよ。》

《真一郎の癖に》

《お前もわかるぞ、いつか》

《まず、女の尻追っかけねえからわかんねえ》

《喧嘩売ってんのか!》


多分、お兄さんなりに私の気持ちに答えてくれてるんだなって思う

こんな年下の女の子妹にしか思えないだろうに


でも、それが嬉しくて嬉しくたまらなくて

『えいやっ!』

「なんかA今日調子いいな」

『わかる?圭くん』

「まあ、そんなニヤニヤしてればな」

『いつか、圭くんにもわかる時が来るよ』

「わかる時、か」


そう言ってじとっと私を見つめる圭くん

改めて見ると綺麗な顔してるなあって

『圭くんは多分将来有望だね』

『万次郎とは違って』

端っこで稽古中なのに爆睡している金髪がいる


「さっきマイキーお菓子食ってたからな」

『なんで稽古前に食べるかね』

「さあな」

『それに比べて圭くん凄いよ』

「俺はこの稽古も楽しいし、Aとも会えるからな」

不意打ちに来る可愛い子


『可愛すぎだよ…』

そう言ってとことん抱きしめる

「ちょ、苦しい」

歳の割に大きい体だけど、私よりは小さくて
恥ずかしそうにしてる姿を見れば、あぁ、この道場に入ってよかったなぁって思う


「おい!場地、お前抜けがけしてんのか」

あれ、さっきまでスヤスヤ寝てた万次郎。

気づけば飛び蹴りを場地にしてた


『ちょ、万次郎!!あんた圭くんに飛び蹴りなんてしないの!』

「はあ!?こいつがわりい!」

『はあ!?謝んなさいよ!』

「やだね、べーだ」

『こら、万次郎、待ちなさい!!』


場地としては毎回道場で繰り広げられる茶番に飽き飽きしていた

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キャンディー(プロフ) - 綺羅さん» 私も真一郎推しなので、この作品を作っちゃいました笑笑 (2021年11月24日 21時) (レス) id: 2c0233fc7b (このIDを非表示/違反報告)
綺羅(プロフ) - 真一郎推しからしたら最高すぎる!!!! (2021年11月21日 12時) (レス) @page28 id: 1c40c756d3 (このIDを非表示/違反報告)
キャンディー(プロフ) - ご指摘ありがとうございます! (2021年8月12日 20時) (レス) id: caaf428f68 (このIDを非表示/違反報告)
マリー(プロフ) - 1ページ目の消毒液を付けるところ、あんのていではなく、あんのじょう(案の定)だと思います!要らぬ指摘だったら一々細かくてすみません…。 (2021年8月12日 19時) (レス) id: 44f2d9f658 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヤマタノ | 作成日時:2021年8月11日 21時

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