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静かな薄暗い店内




ぽっとそこにだけ灯がつく



少し油の匂いが鼻をかすめる




あぁ、この匂いが落ち着くんだ




誰もが嫌がるかもしれない





だけどこの匂いが私をどこか落ち着かせてくれる




「ん、」




一点の明かりが人影を作り出す





それと同時に合わさる瞳



『ご飯、食べてないでしょ』



そっと近づいて影が2人を重ね合わせる




「朝、食った」



『今何時だと思ってるの?』


『もう19時ですけど』



「そんな時間か」



『熱中するのもいいけど、しっかり食べて』



布に包まれたお弁当は彼を笑顔にする



「今日はなんだろ」



嬉しそうにニカッと笑う表情が好きだと


『頑張ってるから、ハンバーグ作った』


「まじか!!」


「やったー!」



自分よりも大人なのかと疑うほどに、あどけない表情をする彼



『ねぇ、少しくっついてもいい?』


「あぁ」


彼女の頭が彼の背中へ触れる



一日の疲れなど消えてしまうほど、彼の温もりは偉大だ




彼女は自然に彼の腰へと腕を回す




ピッタリと、体全体で彼の温もりを感じる




あぁ、この人だと。私の運命の人はこの人だけだ






「なんかあったのか?」



少し声色が先程よりも優しくなる



『ううん、お兄さんだなぁって』




「なんだよそれ」



やっぱり彼女は彼の笑う顔が好きだ



『ここにいるんだもんね』


「当たり前だろ」


お腹にまわした腕の力を強める



もっと、彼の温もりを地肌へと分からせるように





「やっぱ落ち着くな」


「Aの匂い」


「俺好きだな」



思っていることはお互いおなじ



ただこの時間がずっと続けばいいのにと願うばかり




『私、高校卒業したら大学へ行くの』


「あぁ、Aは頭いいしな。」


『大学に合格したら、お兄さんに苗字をプレゼントしてもらおうかな』


「…は?」


「ちょ、なっ、え!?」


先程のムードは一気に壊れ、あたふたし始める、



彼の後ろから抱きつくような体勢だったのが、お互いの鼻と鼻がくっつきそうなほどに近くなる




『ダメ?』


「だめって…」


『私はそのつもりだよ昔から』


「いやっ、まて、早くないか?」


「だって、大学合格したらって…まだ高校生じゃん」


『それが?』


「いや、それがって」


『私はいつでもお兄さんの物になれるよ』


彼女は目を閉じる。


自然と近づく唇に少しドギマギする彼



2人の距離がゼロになる時、




とろけ落ちる愛がはじまる

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キャンディー(プロフ) - 綺羅さん» 私も真一郎推しなので、この作品を作っちゃいました笑笑 (2021年11月24日 21時) (レス) id: 2c0233fc7b (このIDを非表示/違反報告)
綺羅(プロフ) - 真一郎推しからしたら最高すぎる!!!! (2021年11月21日 12時) (レス) @page28 id: 1c40c756d3 (このIDを非表示/違反報告)
キャンディー(プロフ) - ご指摘ありがとうございます! (2021年8月12日 20時) (レス) id: caaf428f68 (このIDを非表示/違反報告)
マリー(プロフ) - 1ページ目の消毒液を付けるところ、あんのていではなく、あんのじょう(案の定)だと思います!要らぬ指摘だったら一々細かくてすみません…。 (2021年8月12日 19時) (レス) id: 44f2d9f658 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヤマタノ | 作成日時:2021年8月11日 21時

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