時を架ける人よ 【名探偵コナン】

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昼食を取り終わり、鬼塚教場の初拳銃訓練が行われる



｢5発ほぼど真ん中やるねえ！降谷ちゃん｣


｢降谷！なかなかいいセンスをしているが、上には上がいることを覚悟しておけ！｣

｢貴様らの先輩に、最初の試射で満点！つまり20発全弾ド真ん中に的中させた天才がいるからな！｣


｢んじゃ、その天才は今捜査一課でバリバリの刑事なんでしょうねえ｣


｢いや、今は刑事をやめて…米花町に探偵事務所を構えてるそうだ｣


｢マジすか｣


｢ぜんぜん当たらねぇ｣


そんな中少し奥の方がざわつく



｢なんだ？｣


｢さあ、あそこから｣


拳銃を解体し始めた松田もその騒ぎを見に行く萩原に連れていかれる


｢おっちょい！まだやってんだろ！｣


そんなこと言っていられなかった



騒ぎの真ん中で



｢あんときの女…｣



｢凛城Aちゃん…｣



男の力でもぶれてしまうエイムが1ミリもズレない


そして全てど真ん中に的中する



｢バケモンだ…｣



拳銃を使う手さばきは無駄なものがない



鬼塚教官も息を飲む



『あれ、なんでこんなに人が集まってるの？』



彼女が振り向けばみんなフリーズする



出会ったことも無い、いやこれから出会うこともないであろうほど整った顔立ち



この場にいること自体が夢なのではないかと疑う程




｢おい、景。Aなのか…？｣



｢そっくりさんなわけではなさそうだよ｣



｢でも、、｣



彼女を見て戸惑いを隠せない2人がいた



心待ちにしていた。


彼女と会う時を



でも、待ち焦がれた彼女とは違う瞳の色と降谷零は目が合う






『ゼロ』


降谷は全身が金縛りにあったように固まった。



何度も夢に出てきた、傍にいたいとどれほど思っただろうか


瞳の色だけは違えど、これは凛城Aなのだと脳が決定を下す


｢A｣




拳銃訓練をしていたはずなのに、いつしかドラマのワンシーンのように



美しい女と男が再会を果たす



みんなが見惚れていた。



諸伏も近くにいたが、今彼女に写っていたのは降谷零



それだけで昔感じた降谷零への劣等感を無意識に抱いてしまう



降谷は自身へ飛び込んできた身体をもう離さないとでも言わんばかりに抱きしめる



『会いたかった』


｢あぁ、僕もだよ｣



松田や萩原は驚いていた。降谷がこんな顔をするのかと
そして、あの時の彼女もこんな顔をするのだと



『ヒロは？』


｢ここにいるよ｣


その言葉だけで諸伏は体の緊張がほぐれる


そして先程の降谷と同じように抱きしめ合う



｢おい、昨日の女。ここはドラマの撮影場所じゃねえんだから離れろ｣

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