時を架ける人よ 【名探偵コナン】

春 ページ23

警察学校の制服に身を包む


｢似合ってるじゃないか｣


この人はここにいていいのだろうか


『なんで着いてきてるんですか』


あの日から、親に連絡して事情を説明し秀一さんが借りてくれた家で生活をした



特訓というものはなかなかにハードで今までは勉強中心だった生活が運動中心の生活になった。



毎日与えられたタスクをこなす。


そのうえで法律や警察になる上で必要な勉強や、他の言語をマスターする。


1週間、フランス人やインド人の中に放り込まされたりとなかなかに過酷だった。


いつも秀一さんは【Aは、可能性の塊だ】という



銃を取り扱う時に、FBI捜査官のジョディさんに紹介する時にも言っていた。



秀一さんの周りの人は優しい人ばかりだ



｢教え子の晴れ舞台の前に会わないなんて選択肢はない｣



『まあ、はい』



｢一応一眼レフを用意したのだが｣


『あの、小学校とかじゃないんですから』


『それに、秀一さんは入れませんよ』


その事実に固まる秀一さん



｢まさか、そんな｣


この半年で私の保護者のようになった気がする



結構ショックだったのかしょんぼりしていた



『それに、なんで入学前日の夜中に日本に着くんですかね』


『私それは怒ってますよ』


本当は1週間前ほどに実家に戻って両親や新一とその両親に会いたいと思っていたのに



その時間すら与えてくれない



夜中だった為、家に戻るのもと思い近くのホテルを取った




｢すまない、すっかり忘れてたよ。4月からが始まりの月だとは｣



わざとらしく言うからこの人絶対忘れてなんていなかったと諦める。


『もういいです。』


『半年も経てば会えますから』



｢休みの日に、会いに行かないのか？｣



『なんだったら警察になったんだって言うサプライズをしたいです』


｢それなら両親は｣



『新一って子に伝えたいんです。』


『親には内緒にしてってお願いしてて』



もし、新一が探偵になるならそれをサポートするのは私がいいななんて



｢そうか、｣


｢それは喜ぶ｣



『喜んでもらいたいですね』



桜がハラハラと落ちてくる



｢綺麗だな｣



『桜ですもん』



始まりを告げるように




｢それじゃ、頑張るんだ｣


｢上を目指して｣


『当たり前ですよ。秀一さんに半年間教えて貰ったんですから』



大きな手が私の頭を撫でる




｢なぜ、隠すんだ｣




私の瞳を





『いい思い出がないからですかね』



ｰｰｰｰ
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