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ボクが中学3年生になった時


零は昔みたいに髪色が違うからなどという理由ではぶかれなくなった。



なんでも出来る幼なじみ、



憧れる女の子たちは沢山いて



それを妬む男子もいる



でも、1ミリも零は興味が無いみたいだ。



なんせ、Aがいるもんなと少し醜い感情が溢れそうになる。



これはただの俺の僻みだ。



零がなんでも出来て周りからチヤホヤされるなんてどうでもいい。


でも、Aの視線を独り占めすることだけは




「ボクは何がしたいんだろう」



ただ壁に強く拳を突き立てる。



「いたいなぁ。」


心が痛い




やっぱり2人は成長すればするほど、他を寄せつけないものになっていく



こんな感情、零に抱くなんて



ボクの1番の親友で、何をするにも一緒だった




ただ、Aに対しての劣等感が気づけば体を蝕む




表情はあまり動かないけれど、誰よりも優しい心を持ってる。




あの日、ボクが言ったエメラルドグリーンの瞳にどうしても写っていたくて




「おい、景。何やってんだ?」




ボクの瞳に映るのは零で




Aの瞳にもこうやって零は写ってるんだなと



何考えてんだろ



「ちょっと、日向ぼっこ」



「ん、そうか」



多分零なりの気遣いだと思う




ボクが嘘をついてることを知っている




「ボクは景が羨ましいよ」




零から発しられた言葉に戸惑いを隠せなかった



「き、急にどうしたんだよ」



「いや、ボクの幼なじみがなにかもの凄く悩んでるみたいだから」


「ボクも一緒だって言いたかった」



零の瞳は悲しみと優しさで濁っている



「いっしょ、か」



「誰もあいつには叶わないと思うぞ」



「あいつは、Aは愛されるだけなんだ」



「返してはくれない」



ボクと同じ形のものは。



そういった零の顔を多分一生忘れられないと思う




「返してくれない、か」



「Aにとってボクたちはみんな平等なんだ」



「誰かに特別、あいつ自身の気持ちを持たない」



あいつの興味をひくやつがいつか、現れるのかもしれない。



そういった零は今にも消えそうで



咄嗟に腕を掴んでしまった。



「なんだよ、急に」



「いや、なんでもない」


「そうか」



「それが、ボクたちになることは」



「まぁ一筋の望みはある」



「だからボクは、あいつより前を走ってたいんだ。」





凄いよ、零はやっぱり

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あまね(プロフ) - 更新しない.ですって?! (1月12日 2時) (レス) @page50 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
セレナ(プロフ) - 娘と一緒に小説を拝読させていただきました。 (2022年6月21日 8時) (レス) id: 042df472d9 (このIDを非表示/違反報告)
セレナ(プロフ) - 私事なのですが普段娘は、小説などを読んでも意思表示がなく途方に暮れてました。なので娘が泣いたり、ドキドキする小説に巡り合えてすごくうれしく思っております。 (2022年6月21日 8時) (レス) id: 042df472d9 (このIDを非表示/違反報告)
セレナ(プロフ) - 私も、日常的に、小説を書くのですが、なかなかうまくいかないのとアンチが多く落ち込む時がありますが、作者様の小説を拝見させて頂き凄く元気を頂いております (2022年6月21日 8時) (レス) id: 042df472d9 (このIDを非表示/違反報告)
セレナ(プロフ) - 最後になりますが、お体には気を付け更新頑張って下さい。心から応援しております。こんなながながとした文章申し訳ありません。では失礼致します (2022年6月21日 8時) (レス) id: 042df472d9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヤマタノ | 作成日時:2022年4月23日 8時

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