時を架ける人よ 【名探偵コナン】

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俺の家にちょくちょく来るようになった



目的は俺じゃなくて、親父のマジック



俺を差し置いて2人で練習部屋に入り特訓する



俺だって入れてくれてもいいのに、まだダメだと言わんばかりに俺が入る隙も与えない



｢ケチ、別に俺が入ったっていいだろ｣



この時親父は彼女に何を教えていたのか、それは今のガキには分からないことで。



｢俺だって、、｣


あの時の、披露パーティーでAと約束した



｢世界一のマジシャンになるんだ｣


それで、俺だけを


『お坊ちゃん、何不貞腐れてるんですか？』


真っ白い肌


そこに都合よく乗せられたパーツ


それは昔、本で読んだお姫様のようで


呑み込まれる



｢べつに、不貞腐れてねぇし｣


『それを不貞腐れてるって言うんだよ？』


｢いいし、Aは親父と仲良く2人で練習してりゃいいじゃん！！｣


ガキっぽいことをしてしまったと反省する前にまだ俺ガキだったわ。


自然と脹れる頬


親父が俺じゃなくてAに構うことよりもAが俺じゃなくて親父と一緒にいるのが気に食わなかった



『ごめんね、』


｢謝って済むなら警察要らねえし｣


『そうだね、警察要らないや』


｢…うん｣


｢寂しかった｣


優しい瞳に包まれると自然に本音が出てきてしまう


Aは少しそういうところが怖い


誰でも虜にしてしまうように



『寂しかったか』


『ほら、おいで』


ギュッとAの匂いに包まれる


そのまま、永遠に時が止まればいいのに


ずっと、このままでいたい。


｢どこにも行くなよ。俺と一緒に大きくなれよ｣


何故かこの手を離してしまったら、この体から離れてしまったら


風船のように空高くどこかへ行ってしまいそうで


『いるよいる。最近の子は心配性なの？』


私はどこにも行きません。なんて言いながらクスッと笑う


その仕草も全部


｢俺、絶対かっこいい男になって迎えいくから｣



小学生の戯言だと言われるかもしれない



でも、これは真実なのだと精一杯気持ちを込める



それを受け取ってくれたのか、優しく真っ直ぐに俺を見つめる



『私が囚われたら、助けに来てくれるのね』


どこかのお姫様のおとぎ話のように



　
｢おう、任せろ｣



お姫様が王子様と結ばれるとは限らない




ｰｰｰｰ
赤星ありがとうございます！！！
嬉しすぎて感極まります。これから少し時代が早まりますので警察学校編に行けたらなと思っております。
よろしくお願い致しますm(_ _)

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