【鬼滅の刃】椿の花が落ちる頃に【鬼舞辻無惨】

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子供たちに手を引っ張られ、いろんな屋台を回っていると、だんだんと人がいなくなっていき、子供たちは家族に呼ばれて帰っていった。


「もう夜ですから、お家へ帰ろうね。みんなお家帰れるかな？」




子供たちが帰っていくのを見送っていれば、すっかり人はいなくなり、周りの家からは「ただいまー」という子供たちの声が聞こえた。





さあ、私も帰ろう。

お母さんたちが心配してしまうわ。



その時だった。



背後から口を押さえられ、人気のない暗いところへ連れられた。






無「私は鬼。鬼舞辻無惨だ。先程のお前の舞を見ていた。お前は美しい。鬼となればもっと美しくなるだろう。お前は今から鬼となる。良いな？」





鬼…！？


真っ赤な瞳、


口から覗く牙、


鋭い爪。





私の家系は代々続く巫女の家系なので、鬼など昔から伝わる話は聞いたことがある。



夜に現れ、人を喰う鬼。

その鬼の首領、鬼舞辻無惨という鬼は人間を鬼に変えることができるとか。




「いやっ…！お母様っ！お父様っ！」





無「母親？父親？お前の家族なら先程殺したが？妹たちも殺したから、お前は独りだぞ？」



殺した…？

お母様もお父様も妹たちも…？




「いやっ！返して！私の家族を！！！私は鬼になんてならないっ」


無惨は私の首を持ち上げた。




無「私にそんな口を聞いてはならない。それは死に値する。でもお前は美しいから生かしてやる。お前はこれからずっと私の側で生き続けるのだ。」





鬼舞辻無惨はそう言うと、私の首に指を刺し、自分の血を入れた。






ドクドクと身体の中を凄まじい勢いで血がめぐり、声にならない声が出る。






薄れゆく意識の中、最後に見たのは鮮血のように真っ赤な瞳の中に映る、鬼のような姿になった自分の姿だった。









(過去回想編終了)

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