いつだってないものねだり ページ5
××
「そういうロンは気になる子の一人や二人いないのか？」
「え？僕？」
急に話を振られ、ロンは困ったような顔をした。
はじめて汽車で会ったときはシェリーに対して甘い感情を抱いていたが、ホグワーツでの生活が一年を過ぎて、いつの間にか彼女へのそういった感情は消えていた。よって、今現在ロンに気になる子はいない。───気になる、というより、よく突っかかる女の子なら身近にいるのだが。ふわふわの栗毛の女の子が、脳裏に過った。
「ハーマイオニー」
「えっ！？」
突然その名前が出され、ロンはあわてふためいた。ないよ、絶対ないない！と首を横に振るロンに「あら、私は名前しか言ってないけど」とシェリーは意地悪く微笑んだ。
「ああハーマイオニーか！確かに仲良いもんな。お似合いだぜお前ら」
「ハ、ハーマイオニーとはそういうんじゃ……あ、あんなやつなんとも……」
「照れてる照れてる」
「照れてない！」
フレッドとロンが盛り上がっているのを横目に今度はジニーが「ハーマイオニーってハリーとも仲良しなの？」とどこか不安そうに問いかけてきた。
「そうね、確かに仲は良いけど……ジニーは本当にハリーのことが好きなのね」
シェリーが柔らかに微笑むとジニーは顔を真っ赤にした。可愛らしいな、と思いながらシェリーはカップに口をつける。そのときちょうどフレッドとモリーが戻ってきた。
「ジョージ！オレ、母さんに追われてるときに良いこと思いついちゃったんだけど……」
「……何々？良いね、それ乗った！」
フレッドとジョージはニヤニヤ笑いながら階段を駆け上がっていく。「あの子たち絶対ロクなこと考えてないわ」とモリーは頭を押さえた。
「は、はは、まあ良いじゃないか……今はそういうのが特に楽しく感じる時期だろう」
「元はと言えばあなたがいつもそうやってあの子たちを甘やかしているからなんですよ！！」
「すみません……」
目の前で繰り広げられる楽しい光景にシェリーは自然と笑みを零していた。今も昔もシェリーに家族というものはおらず、家族の団欒というものを見るのも初めてだった。これが家族というものなのだろうか。暖かくて、幸せで、楽しくて。胸の中がいっぱいになる。
(家族、ね……)
私が望んでいいものではないと首を横に振る。
それでも、一度抱いた憧れは消えてくれそうになかった。
シェリーも家族が欲しかったのだ。
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しーちゃん(プロフ) - 大好きな作品で何度も読み返してます!! 更新お待ちしてます!! (9月18日 15時) (
レス) id: 71c5178530 (このIDを非表示/違反報告)
祐子(プロフ) - 何度も読み返している作品です！ずっと大好きで応援してます！！更新お待ちしてます (8月22日 8時) (レス) @page8 id: 5bb6c4a772 (このIDを非表示/違反報告)
himamo(プロフ) - ほんとーにめちゃ大好きな作品です！！！これからもずっと応援してます！！ (8月20日 18時) (レス) @page8 id: cc19575f15 (このIDを非表示/違反報告)
りりちゃん(プロフ) - ハリーポッターの映画を見返して、この小説を読まさせていただきました。とっても面白くてわくわくしました！！！もしお時間ありましたら続き読みたいです！更新お待ちしてます！ (8月15日 23時) (レス) @page8 id: 0c4dd5db53 (このIDを非表示/違反報告)
チョコドーナツ(プロフ) - めっちゃくちゃ面白いです〜!!見つけてすぐに一気読みしちゃいました！応援してます！！ (2023年5月7日 1時) (レス) id: 915577a7d1 (このIDを非表示/違反報告)
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