スリザリンは特別 ページ40
××
目が回る。めがまわる。
何故か───否、理由は分かっているのだ。ここ最近、あまり寝ていなかったから、この幼い身体には耐えられるはずがないのだろう───シェリーは尋常ではないくらいの眠気に襲われて、何か言うドラコの声すらも聞こえなくなった。
「お、おい！？」
全身から力が抜け、足元から崩れ落ちたシェリーの身体をドラコは慌て受け止めた。そしてすぐに周囲を見回す。幸い、周りにドラコ以外の誰もいない───そっと安堵の息を漏らしたとき、足音が近づいて来た。
「だっ、だれだ！？」
「僕だよ」
現れたのはドラコと同じスリザリンの一年生であるセオドール・ノットだった。ドラコは少し安心する。これがブレーズ・ザビニやミリセント・ブルストロードだったらどうなっていたことか。ゾッとする！
「その子、グリフィンドールのシェリー・アドラーだよね。見せて」
「見せてって……」
セオドールは余計な詮索はしなかったが、その好奇心を隠そうともしなかった。興味津々といった様子でドラコに近づくとシェリーを見つめる。
「アンティークドールみたいな子だよね」
「……」
「それで？この子、どうするの？」
グリフィンドールの談話室にドラコたちが入ることは不可能。適当なグリフィンドール生を捕まえて引き渡すべきなのだろうが、相手によってはややこしい事態になりかねない。
「ポッターでも呼ぶかい？」
「おい」
「冗談だよ。ここに置いていくことも出来ないし……医務室に連れていくのが妥当かな」
セオドールがシェリーを見つめながら答えたのと同時に、幾つかの足音が近づいてきた。ドラコは慌てシェリーを壁に寄り掛からせるとセオドールと共に死角に隠れる。
「───で？フレッド、次はだれにクソ爆弾を仕掛けるんだ？」
「そうだな。俺としてはスリザリンの───おい、シェリーじゃないか？」
現れた双子はすぐにシェリーに気がつくと不思議そうに顔を見合わせた。全く、こんなところで寝るなんてずいぶん手間のかかる後輩である。しかし、些か常に子供らしくないシェリーの、ある種の秘密のようなものが握れて双子はご満悦だ。
「よし、とりあえず寮に運んでやるか」
フレッドがシェリーを軽々と抱き上げると、ジョージが彼女の頬をつついた。こうして見るとただの子供だ。双子は以前からシェリーに「何かある」と感じていたのだが、やはりそれは間違いだったのだろうか。
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好き - めっちゃ面白いです！！質問ですが、クララさんは「リミット」の主人公という解釈であっていますか？ (9月11日 22時) (
レス) @page50 id: 7b1f7a885b (このIDを非表示/違反報告)
カケオレ(プロフ) - すみません。アドラーというのは本作に出てきますでしょうか。調べても出てこなくて… (8月24日 9時) (レス) @page49 id: 1b32a494c8 (このIDを非表示/違反報告)
本都 - 失礼します。クララの子供はレギュラスの子供でしょうか (2021年8月15日 13時) (レス) id: 7aa513530e (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - 柊あんずさん» どんな更新速度でも完結まで追い続けます！応援してます！ (2020年10月24日 0時) (レス) id: 05ebd46207 (このIDを非表示/違反報告)
柊あんず(プロフ) - mikittyさん» コメントありがとうございます〜！今までが遅すぎたんですよ…だってこれ連載したの2018年ですからね…申し訳ない…これからも応援よろしくお願いいたします…！ (2020年10月23日 21時) (レス) id: 30d83766f8 (このIDを非表示/違反報告)
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