スリザリンは特別 ページ39
××
「……それで？何か御用？」
「怪我は治ったのか？」
「ご覧の通り、治ったわよ」
もしかして心配してくれたの？とシェリーが長い髪を耳にかける。ドラコは目を見開いて顔を真っ赤にさせた。分かりやすいことこの上ない。
「し、心配なんてするわけないだろう！
お前は僕の召し使いで召し使いがいなくなったら困るんだ！」
「あらそう。心配したって言ってくれたらすごく嬉しかったのに」
「なっ───」
シェリーが呆気に取られているドラコの横を通り過ぎれば、ドラコはすぐに小走りで戻ってきて隣───よりもシェリーのやや前を歩き出す。その行動がなんだか面白くてシェリーは思わず吹き出した。
「なっ、なんだ」
「っふふふ……ははっ、ごめんなさい。
「褒めてるのか？……そ、それに今……」
「褒めてるわ、ずっと見ていたくなるってことだもの……」
シェリーがそう言えばドラコはまた顔を赤く染めた。それを見てシェリーは更に笑う。からかわれているのは確かだが、ドラコはそれどころではなかった。彼女は今、確かにドラコの名を口にしたのだ。
「あっ……明日からまたお前のことをコキ使ってやるからな」
「あらあら。人のことをコキ使っている自覚はあったのね」
シェリーはまたもや大人びた微笑を浮かべた。
ドラコと身長は同じくらいなのに彼女は自分よりもずっと大人で、見下ろされているような気分になる。
「……じゃあ、そろそろ寮に戻るわ。
寄り道してたら結構遅くなっちゃったし、あなたも早く寝たら？それとも……もうちょっと私といる？」
からかわれている。まちがいなくからかわれている！怒りすら沸いてきたが、その怒りもシェリーの楽しげな笑みを前にしたらどこかにいってしまうのだから悔しくて仕方がない。
「あなたは、スリザリンそのものみたいなひとね……」
「それはもちろん褒め言葉だろうな？」
「ええ、心からの賛辞よ。だって私はスリザリンが好きだわ」
それにはかなり驚いた。
今朝のように、スリザリン生は容赦なくシェリーを嘲笑するし、罵倒だってする。シェリーにとって良い寮のはずがないのに。
「スリザリンはね、私にとって特別なの」
何故ドラコ相手にこんな話をするのか自分でも分からない。たぶん、眠気にやられていたせいかもしれない。
「……特別？」
「そう。とくべつ」
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好き - めっちゃ面白いです！！質問ですが、クララさんは「リミット」の主人公という解釈であっていますか？ (9月11日 22時) (
レス) @page50 id: 7b1f7a885b (このIDを非表示/違反報告)
カケオレ(プロフ) - すみません。アドラーというのは本作に出てきますでしょうか。調べても出てこなくて… (8月24日 9時) (レス) @page49 id: 1b32a494c8 (このIDを非表示/違反報告)
本都 - 失礼します。クララの子供はレギュラスの子供でしょうか (2021年8月15日 13時) (レス) id: 7aa513530e (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - 柊あんずさん» どんな更新速度でも完結まで追い続けます！応援してます！ (2020年10月24日 0時) (レス) id: 05ebd46207 (このIDを非表示/違反報告)
柊あんず(プロフ) - mikittyさん» コメントありがとうございます〜！今までが遅すぎたんですよ…だってこれ連載したの2018年ですからね…申し訳ない…これからも応援よろしくお願いいたします…！ (2020年10月23日 21時) (レス) id: 30d83766f8 (このIDを非表示/違反報告)
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