ハリー・ポッター ページ4
××
「ね、ねぇ、君、名前は？」
ロンは緊張した様子でシェリーに訪ねた。
シェリーはさっきハリーに名乗ったように自分の名を言う。
「僕はロン・ウィーズリー」
「僕はハリー」
「君、本当にハリー・ポッターなの？」
ロンの素直な疑問にハリーはこっくりと頷いた。曰く、ロンは兄達がふざけているんだと思ったそうだ。
「じゃ、君、本当にあるの？ ほら……」
ロンはハリーの額を指差す。
ハリーは前髪を掻き上げて稲妻の傷跡を見た。シェリーは本を閉じ、ハリーの傷跡をじっ、と見つめていた。
「それじゃ、これが
「うん、でも何にも覚えてないんだ」
「なんにも？」
「そうだな。緑色の光がいっぱいだったのを覚えてるけど、それだけ」
「うわっー……」
ロンは暫くハリーを見つめていたが、ハッと我に返り、慌て外に目をやった。
「君の家族はみんな魔法使いなの？」
ロンがハリーに興味を持ったのと同じくらい、ハリーもロンに関心を抱いた。そうだと思う、とロンが曖昧に答える。
「ママのはとこだけが会計士だけど、僕たちその人のことを話題にしないことにしてるし……」
「じゃ、君なんかもう魔法をいっぱい知っているんだろうな……そういえばシェリーは？」
ハリーは二人の会話を黙って聞いていたシェリーに話を振る。シェリーが口を開く前にロンが答えた。
「アドラー家も由緒正しい魔法使いの旧家だろ？ 有名だから知ってるよ。気分を悪くするかもしれないけど……アドラー家の人達はみんな若くして死んでるって」
「そうね、私のお母さまも私を産んですぐに死んだから、私は今まで孤児院にいたわ。お母さまもおばあさまも私と同じ境遇で孤児だったって。アドラー家って呪われてるのかも」
「そんなことは……ほら、アドラー家出身のグレース・アドラーなんて凄く高名じゃないか。「幻の動物とその生息地」の著者であるニュート・スキャマンダーと一緒に旅をして多くの人間、動物を救ったって……」
よく知ってるのね、とシェリーの口許が緩んだ。初めてシェリーの笑みを見た。笑うと随分年相応に見える。しかし、ハリーは魔法界の話を全く知らないので二人の話に入ることが出来なかった。
「そういえば君はマグルと暮らしてたって聞いたよ。どんな感じなんだい？」
ロンの興味が再びハリーに移った。
ハリーはダーズリー一家を思い出す。少し思い浮かべただけで不快な気分になってきた。
***
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好き - めっちゃ面白いです！！質問ですが、クララさんは「リミット」の主人公という解釈であっていますか？ (9月11日 22時) (
レス) @page50 id: 7b1f7a885b (このIDを非表示/違反報告)
カケオレ(プロフ) - すみません。アドラーというのは本作に出てきますでしょうか。調べても出てこなくて… (8月24日 9時) (レス) @page49 id: 1b32a494c8 (このIDを非表示/違反報告)
本都 - 失礼します。クララの子供はレギュラスの子供でしょうか (2021年8月15日 13時) (レス) id: 7aa513530e (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - 柊あんずさん» どんな更新速度でも完結まで追い続けます！応援してます！ (2020年10月24日 0時) (レス) id: 05ebd46207 (このIDを非表示/違反報告)
柊あんず(プロフ) - mikittyさん» コメントありがとうございます〜！今までが遅すぎたんですよ…だってこれ連載したの2018年ですからね…申し訳ない…これからも応援よろしくお願いいたします…！ (2020年10月23日 21時) (レス) id: 30d83766f8 (このIDを非表示/違反報告)
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