秘すれば花であるならば ページ27
××
授業が終わり、シェリーは行動を共にしていたハリーたちと一旦別れ、ホグワーツ内を歩いていた。変わったものもあるけれど、変わらないものの方が多くてなんだかとても懐かしい。時間も忘れ、廊下を歩いていると背後から「きみ、」と、呼び止められた。
「……？」
「君、新一年生だよね？もう夕食の時間だから大広間に行った方が……ああ、もしかして迷子になったのかな？」
茶色ががった金髪にすっと通った鼻筋、そして穏やかな微笑み。そして忠実と真実の象徴であるハッフルパフのネクタイをつけた少年がシェリーを見つめていた。迷子、ではないのだがそういうことにしておいた方が色々と都合が良い。それにハッフルパフ生ならば信用できる。
「ありがとうございます。実は、ええ、迷子になってしまって……」
「新入生だからね。無理もないさ。案内するよ」
僕はセドリック・ディゴリー、と手を差し出され、シェリーも愛想良く握手に応じた。
「私はシェリー。シェリー・アドラーです。どうぞよろしく」
「君のことは知ってるよ。入学式で一番に名前を呼ばれてたからよく覚えてる。それに君の話はよく聞くからね」
「……それって、悪い話？」
「君が可愛いって話」
冗談っぽくウインクをしてみれば、シェリーは一瞬目を見開き、そしてクスッと笑った。流石はハッフルパフ生、というべきなのだろうか。一言一言が優しくて、自然と笑みが広がっていく。暫く他愛もない会話を交わしていると、大広間に到着した。
「おや見てよジョージ、我らがグリフィンドールの期待の新星はもうボーイフレンドを作って帰ってきてるよ」
「その歳で魔性の女とは恐れ入った」
グリフィンドールの席へ行けば、例の双子がからかうようにセドリックとシェリーを交互に見た。シェリーは大きな溜め息を吐き、セドリックは困ったように苦笑する。
「じゃ、じゃあ僕はこれで」
「……色々とごめんなさい。気にしなくて良いから」
「うん、またね！」
セドリックはシェリーに手を振ると、ハッフルパフのテーブルへと戻って行った。彼は人が良さそうだし好印象ではあるが、だからこそ自分のような人種が深入りしてはいけない。
「……で？彼とは付き合ってるのかい？」
「子供は恋愛対象にはならないわね」
シェリーは澄まし顔で、双子の横を通り抜けた。
そのまま空いている席に座ると、優雅に食事を取り始める。
子供。子供って……
(あの子、実はおばあちゃんだったりするのか？)
(さあ……)
**
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好き - めっちゃ面白いです！！質問ですが、クララさんは「リミット」の主人公という解釈であっていますか？ (9月11日 22時) (
レス) @page50 id: 7b1f7a885b (このIDを非表示/違反報告)
カケオレ(プロフ) - すみません。アドラーというのは本作に出てきますでしょうか。調べても出てこなくて… (8月24日 9時) (レス) @page49 id: 1b32a494c8 (このIDを非表示/違反報告)
本都 - 失礼します。クララの子供はレギュラスの子供でしょうか (2021年8月15日 13時) (レス) id: 7aa513530e (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - 柊あんずさん» どんな更新速度でも完結まで追い続けます！応援してます！ (2020年10月24日 0時) (レス) id: 05ebd46207 (このIDを非表示/違反報告)
柊あんず(プロフ) - mikittyさん» コメントありがとうございます〜！今までが遅すぎたんですよ…だってこれ連載したの2018年ですからね…申し訳ない…これからも応援よろしくお願いいたします…！ (2020年10月23日 21時) (レス) id: 30d83766f8 (このIDを非表示/違反報告)
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