友情の芽生え ページ14
××
シェリーは一旦ハリー達と別れ、ハーマイオニーのコンパートメントで着替えることになった。真新しいローブに袖を通していく。胸が踊る。この感覚を、知っていた。このローブを着る時はいつも胸が高鳴って、わくわくしていた。
(……やっぱり苦手だわ……)
一方、ハーマイオニーはシェリーに対してどうも苦手意識を抱えていた。根本的に相性が悪いのか。本能からあまり好きになれないというか……いや違う。本当は仲良くなりたいと思っているのに、上手くできないのだ。
「……ホグワーツに行くのは楽しみ？」
「えぇ、とても」
ハーマイオニーが恐る恐る問えば、シェリーは満面の笑顔を浮かべて答えた。初めて笑みを向けられ、ハーマイオニーの心が揺れる。それを見たシェリーはゆるく微笑んでから、そして謝罪の言葉を口にした。
「さっきは失礼な物言いをしてごめんなさい」
「……え？」
「あなたは何も悪いことをしていないのに流石に失礼すぎたかなって。ごめんなさい」
ハーマイオニーは呆気に取られたように目を見開いている。正直、シェリーのことはいけ好かない女だと思っていたし、今もそこまで好きというわけではないが。しかし、彼女はハーマイオニーが尊敬してやまないグレース・アドラーの血縁者でもあるし、それに。もしかしたら、友達になれるかもしれない。
「……分かった。私も悪い部分はあったわ。その、ごめんなさい。……シェリーって呼んでも？」
「構わないわ、ハーマイオニー」
ハーマイオニーはシェリーの手を取ると顔を赤らめ、可憐に微笑んだ。純粋に、シェリーは嬉しかった。ハリーにロン、そしてハーマイオニーという素敵な友人が三人も出来たのだから。
この時、シェリーは忘れていた。
自分が罪人であるということを
*****
一方、ハリーとロンはいつまで経っても帰って来ないシェリーを心配していた。特にロンは落ち着かなそうにそわそわしている。
「もしかして、シェリー、あいつに食われたんじゃ……」
「そ、そんなことはないと思うけど……」
ロンの突拍子のない考えに苦笑を零す。
しかし、確かに心配だ。あの二人は見るからに相性が悪そうだし、何も起こってないといいのだが……二人がシェリーの身を案じていると車内に響き渡る声が聞こえた。
「あと五分でホグワーツに到着します。
荷物は別に学校に届けますので、車内に置いていってください」
**
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好き - めっちゃ面白いです！！質問ですが、クララさんは「リミット」の主人公という解釈であっていますか？ (9月11日 22時) (
レス) @page50 id: 7b1f7a885b (このIDを非表示/違反報告)
カケオレ(プロフ) - すみません。アドラーというのは本作に出てきますでしょうか。調べても出てこなくて… (8月24日 9時) (レス) @page49 id: 1b32a494c8 (このIDを非表示/違反報告)
本都 - 失礼します。クララの子供はレギュラスの子供でしょうか (2021年8月15日 13時) (レス) id: 7aa513530e (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - 柊あんずさん» どんな更新速度でも完結まで追い続けます！応援してます！ (2020年10月24日 0時) (レス) id: 05ebd46207 (このIDを非表示/違反報告)
柊あんず(プロフ) - mikittyさん» コメントありがとうございます〜！今までが遅すぎたんですよ…だってこれ連載したの2018年ですからね…申し訳ない…これからも応援よろしくお願いいたします…！ (2020年10月23日 21時) (レス) id: 30d83766f8 (このIDを非表示/違反報告)
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