友情の芽生え ページ12
××
入ってきたのは、少年三人だった。
大柄な体格の二人の少年を横に従えているのはブロンドの髪をオールバックにした端麗な顔立ちの少年だ。ブロンドの少年はハリーを見ると驚いたように目を見開いた。
「このコンパートメントにはハリーポッターがいるって、記者の中じゃその話で持ち切りなんだけど。それじゃ、君なのか？」
「そうだよ」
「僕はマルフォイ。ドラコ・マルフォイ」
その名を聞き、ロンはプッと吹き出した。
マルフォイがそれを見逃すはずもなく、ロンを睨みつけた。
「僕の名前が変だとでも言うのかい？
君が誰かは聞く必要もないね。パパが言ってたよ。ウィーズリー家はみんな赤毛で、そばかすで、育てきれないほどたくさん子供がいるってね」
今度はロンが不愉快そうに眉を寄せた。
「ポッターくん。そのうち家柄のいい魔法族とそうでないのがわかってくるよ。まちがったのとは付き合わないことだね。そのへんは僕が教えてあげよう」
マルフォイはハリーに手を差し伸べ、握手を求める。ロンはハリーがその手を握るんじゃないかと不安げに見つめていた。
「まちがいかどうか、見分けるのは自分でもできると思うよ。どうもご親切さま」
しかし、ハリーは握らなかった。
恥をかかされたとマルフォイは顔を真っ赤にする。
「ポッターくん、もう少し礼儀に気をつけた方が良いと思うが。そこの君もそう思わないか？」
マルフォイは本を読んでいたシェリーに気づいたのか、同意を求めた。シェリーは本から顔を上げる。シェリーの顔を見てマルフォイは真っ赤に染まっていた顔を更に赤らめた。流れるようなシルバーブロンドの髪、吸い込まれるような真紅の瞳。洗練された雰囲気。
「君、名前は？」
「……シェリー」
「シェリー……僕はドラコだ。宜しく」
マルフォイは一歩踏み出し、シェリーに手を伸ばした。数秒の間、目の前に差し出された手を見下ろした後、シェリーは力なくその手を握り返した。ロンがショックを受けたような顔をする。
「ほら、やっぱり分かる人には分かるんだよ。
君も彼女のように礼儀を心得ないと両親と同じ道をたどることになるぞ。君の両親も、なにが自分の身の為になるかを知らなかったようだからね。ウィーズリー家やハグリッドみたいな下等な連中と一緒にいると、君も同類になるだろうよ」
***
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好き - めっちゃ面白いです！！質問ですが、クララさんは「リミット」の主人公という解釈であっていますか？ (9月11日 22時) (
レス) @page50 id: 7b1f7a885b (このIDを非表示/違反報告)
カケオレ(プロフ) - すみません。アドラーというのは本作に出てきますでしょうか。調べても出てこなくて… (8月24日 9時) (レス) @page49 id: 1b32a494c8 (このIDを非表示/違反報告)
本都 - 失礼します。クララの子供はレギュラスの子供でしょうか (2021年8月15日 13時) (レス) id: 7aa513530e (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - 柊あんずさん» どんな更新速度でも完結まで追い続けます！応援してます！ (2020年10月24日 0時) (レス) id: 05ebd46207 (このIDを非表示/違反報告)
柊あんず(プロフ) - mikittyさん» コメントありがとうございます〜！今までが遅すぎたんですよ…だってこれ連載したの2018年ですからね…申し訳ない…これからも応援よろしくお願いいたします…！ (2020年10月23日 21時) (レス) id: 30d83766f8 (このIDを非表示/違反報告)
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