第十四話「嘆きのマートル」 ページ14
パパとママを酷い目に合わせた奴と同じなのに、というロングボトムの言葉が頭の中で浮かび上がる。それは消えることなく、リヴィはずっと悩まされていた。
あれは、本当の両親のことを言っているのだろう。私は娘だから恨まれていたのだ。のうのうとグリフィンドールで過ごしていたのも原因なのかもしれない。それなのにロングボトムは謝ってくれた。しかしあれから一言も話していない。安堵する反面、これでいいのかという気持ちになることがある。私は何も返事をしていなかったからだ。
酷い目とは何か分からないが、ロングボトムのあの様子を見ても、両親の行動を考えても、事実だとしか思えない。何をされたのだろう。気になったが、調べるなんてことをできるはずがない。
――恐怖。
両親が何をしてきたかは知っている。だが、被害にあった子が近くに居て、それに関することを再確認するのはどうしようもなく怖かったのだ。
「で、どうしてここで恨めしそうな顔をするの？」
隣から声をかけてきたのはトイレに取り憑いている嘆きのマートルだった。普段は三階の女子トイレにいるのに度々どこからかやってくる。励ましたりしてくれるわけではなく、ただにやにやと笑うだけ。私を見て面白がっているというのは、自身の考えだけれど合っていると思う。
出会ったのはもう一度ネビルと会った日だ。突然現れ、何か企んでいるような顔をして「あなたがリヴィ・レストレンジ？」と聞いてきた。それからはときどき話しかけに来る。唯一話せる相手がゴーストとは、なんだか苦笑いが顔に浮かんだ。と言っても暇つぶし程度にしか見られていないが。
「……人が、いないから」
質問にやっと答えたが、マートルは聞いておきながら興味なげに返事をする。リヴィは前に向き直った。
――人前で泣いてから何かが変わり始めている気がした。良いことなのか悪いことなのかは分からない。けれど、リヴィはこの変化に不安を感じていた。いつも通りではなくなるような、心がざわざわするような、そんな何かを。
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蒼(プロフ) - eryさん» ずっと更新が止まっているのにコメントありがとうございます。いつになるかは分かりませんが、投稿したらよろしくお願いします。 (2019年3月3日 23時) (
レス) id: 5cd05e93e8 (このIDを非表示/違反報告)
ery(プロフ) - ゆっくりでいいので更新頑張ってください！ (2019年2月21日 14時) (レス) id: b4108c4e9e (このIDを非表示/違反報告)
美月(プロフ) - 蓮さん» 今日更新したいと思います。遅くなってしまい、すみません。 (2018年2月16日 18時) (レス) id: 8bca99ae07 (このIDを非表示/違反報告)
蓮(プロフ) - 碧さん» 第十一話は重要だと思っていて、他の話以上に気をつけて文章を書いていました。なのでそんな風に言ってもらえて本当に舞い上がりそうです！ありがとうございます！頑張ります。 (2018年2月2日 21時) (レス) id: d4697bad1b (このIDを非表示/違反報告)
碧(プロフ) - とっても良かったです。今までにない感じでひきこまれました。第十一話が好きです。これからも頑張ってください、応援しています。 (2018年2月1日 1時) (レス) id: 434e08913c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蓮 | 作成日時：2017年5月14日 23時
