第十三話「ゆっくりと、」 ページ13
ロングボトムは徐に口を開いては閉じ、数回繰り返すと決意したようにリヴィを見つめた。やっと絞り出したように見える声は、ひどく掠れていた。
「――ごめんね。酷いことを言って本当にごめんなさい」
頭を下げて「ごめん」と続けるロングボトムに、リヴィは虚をつかれて一歩さがった。
「君と会った一年生の終わりに家に帰って、パパとママに会ったら悲しくなって頭がどうかしちゃったんだ。……それに、君のことが分からなくなっていた。噂と違ったりしていたけれど『レストレンジだから』ってずっと信じていた……だから……あの……」
ロングボトムが顔をしかめた。
「……ごめん。言い訳にしか聞こえない」
そう悔しそうに言って、また謝る。
リヴィには分からなかった。どうしたらいいのか、どうこたえればいいのか。謝罪を受けるべきか、否か。
だからリヴィはいつも通りのことをする。
「気に、しないで……本当に。気にしていないから」
本当は気にしているくせに。私は悲しんでいるって誰かに知ってほしいのに。そう思っているのに隠していたのは自分自身だ。本当の両親と同じにはなりたくないと決めているのに、そう思われるように行動をしてしまうのも、自分のせいだ。
ロングボトムと目を合わせず踵を返して、早歩きにならないよう気をつけて前に進む。緊張して変な動作をしていないだろうか。
声はかけられなかった。ロングボトムはどんな顔をしているのだろう。
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蒼(プロフ) - eryさん» ずっと更新が止まっているのにコメントありがとうございます。いつになるかは分かりませんが、投稿したらよろしくお願いします。 (2019年3月3日 23時) (
レス) id: 5cd05e93e8 (このIDを非表示/違反報告)
ery(プロフ) - ゆっくりでいいので更新頑張ってください！ (2019年2月21日 14時) (レス) id: b4108c4e9e (このIDを非表示/違反報告)
美月(プロフ) - 蓮さん» 今日更新したいと思います。遅くなってしまい、すみません。 (2018年2月16日 18時) (レス) id: 8bca99ae07 (このIDを非表示/違反報告)
蓮(プロフ) - 碧さん» 第十一話は重要だと思っていて、他の話以上に気をつけて文章を書いていました。なのでそんな風に言ってもらえて本当に舞い上がりそうです！ありがとうございます！頑張ります。 (2018年2月2日 21時) (レス) id: d4697bad1b (このIDを非表示/違反報告)
碧(プロフ) - とっても良かったです。今までにない感じでひきこまれました。第十一話が好きです。これからも頑張ってください、応援しています。 (2018年2月1日 1時) (レス) id: 434e08913c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蓮 | 作成日時：2017年5月14日 23時
