第十三話「ゆっくりと、」 ページ12
人の声を気にして歩いていたせいで変身術の授業に遅れてしまい、まだマクゴナガル先生がいないことを願いながら教室に入った。普段は無反応なのに、リヴィに気づいたみんなの目が今日は集まり、臆して立ち止まった。
最近は無視されていたが、ホグワーツに来たばかりの頃は睨まれたりもしていた。なぜ昔のようになったのかと思ったが、目線を泳がせると、ふと気づく。
周りの目は特に恐ろしくもない。何かがおかしい。
「立っていないで座りなさい」
後ろからマクゴナガル先生の声がして、空いていた席に慌てて向かう。その間に一つの淡い可能性が頭の中を過ぎった。マクゴナガル先生が変身術の説明を始めたところで、リヴィはゆっくりと考えた。
もしも。
泣き叫んだことで、両親とは違うと思われていたら。
もしかしたら。
いや、家にいるときにも期待して、それは裏切られた。だから、そんなはずはない。そう言い聞かせても、興奮した心臓は収まらなかった。
周りを目だけで見る。だがマクゴナガル先生ということもあってか、みんなは授業に集中していた。
リヴィはまた怒られないように必死で期待を追い出し、前を向いた。
全く集中できなかった変身術の授業が終わり、リヴィは立ち上がる。教室から出ると、ロングボトムに声をかけられた。
「話が、あるんだ」
それを聞いた周りの人たちがリヴィとロングボトムから一斉に離れ、どうするのかと二人を囲いながら注目する。そのせいで通る道がなく、逃げることができなかった。
*
場所を変え、ロングボトムと向かい合う。ロングボトムは緊張しているようだ。リヴィも同じぐらい緊張して、何も考えられなかった。
「……よければリヴィって呼んでもいい？ 嫌みたいだったから」
名字で呼ぶなと泣き叫んだことを覚えていたのか。あの状況で。リヴィは驚いた。思わず目を瞬かせて呆然としたあと、我に返り慎重に頷く。
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蒼(プロフ) - eryさん» ずっと更新が止まっているのにコメントありがとうございます。いつになるかは分かりませんが、投稿したらよろしくお願いします。 (2019年3月3日 23時) (
レス) id: 5cd05e93e8 (このIDを非表示/違反報告)
ery(プロフ) - ゆっくりでいいので更新頑張ってください！ (2019年2月21日 14時) (レス) id: b4108c4e9e (このIDを非表示/違反報告)
美月(プロフ) - 蓮さん» 今日更新したいと思います。遅くなってしまい、すみません。 (2018年2月16日 18時) (レス) id: 8bca99ae07 (このIDを非表示/違反報告)
蓮(プロフ) - 碧さん» 第十一話は重要だと思っていて、他の話以上に気をつけて文章を書いていました。なのでそんな風に言ってもらえて本当に舞い上がりそうです！ありがとうございます！頑張ります。 (2018年2月2日 21時) (レス) id: d4697bad1b (このIDを非表示/違反報告)
碧(プロフ) - とっても良かったです。今までにない感じでひきこまれました。第十一話が好きです。これからも頑張ってください、応援しています。 (2018年2月1日 1時) (レス) id: 434e08913c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蓮 | 作成日時：2017年5月14日 23時
