セドリックの恋路７ ページ37
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彼らに向けられる
自分の知らない笑顔を見て居られなくて
ふ、と目を逸らせば片方の双子と目が合う。
A｢ジョージ？｣
あぁ。こっちはジョージか。
ｼﾞｮｰｼﾞ｢今日、Aを誘ってくれてありがとう｣
思わず耳を疑った。
ﾌﾚｯﾄﾞ｢は、ジョージ･･･？何言って･･･｣
ｼﾞｮｰｼﾞ｢本当は今日俺と約束してたんだ。
でも、罰則食らって行けなくなった･･･
A、楽しみにしてたんだ。
だから、ありがとう･･･
だけどーー･･･｣
そう続けるジョージは
Aに視線を向けると
そのまま自分の方へ引き寄せ
彼女の耳をそっと塞いだ
A｢･･･？｣
ｼﾞｮｰｼﾞ｢今度からは
何があっても俺が一緒に行くから･･･
Aの事は諦めて｣
『Aは俺のだから』
獲物を狩る獣のような鋭い目つき。
先程までAに向けられていた
優しい表情からは想像出来ない程の殺気。
背筋がゾクリとした。
驚いたのは僕だけじゃなかった様で
そばに居たフレッドも言葉を無くしていた。
重い沈黙を破ったのはAの声。
A｢ジョージ･･･？｣
ｼﾞｮｰｼﾞ｢っと、あぁ。ごめんね。｣
忘れていた、と言うように
慌てて手を離すジョージ。
A｢何を言ったの？｣
ｼﾞｮｰｼﾞ｢いや、ちょっとした
男同士の会話ってやつ？｣
A｢ふーん･･･｣
まるで、さっきとは別人の様な
優しい表情を向けるジョージ
ﾌﾚｯﾄﾞ｢そ、それよりここじゃ寒いだろ
談話室戻ろうぜ｣
ｼﾞｮｰｼﾞ｢そうだな。
じゃ、またな、セドリック｣
A｢え、あ、！
今日はありがとう！セド！
楽しかったよ！！｣
慌てた様にお礼と言うAに
笑顔で手を振り見送る。
あーーー、全く･･･
ｾﾄﾞﾘｯｸ｢ズルいなぁ･･･｣
彼等が羨ましい。
あんなの見せられたら
勝ち目なんか無いと分かってしまう。
やっぱり僕は
彼女に手が届く事はないのか･･･
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作者名：雪華... | 作成日時：2017年1月1日 0時
