受付嬢の日常

仲が悪い ページ5

、




私、琳堂Aと神楽、お妙さんが
受付嬢をしているこのビルには、

松下食品と真選組広告という
大手企業が入っている。


この２つの企業は
どういう訳か、仲が悪く、
先程のような光景は毎日繰り返されている。


ーーーあんな風にしていたら、寧ろ仲が良くなったりしないのかな、

なんて、初めの方は考えていた私も
今ではそんな可能性1ミリも無いな、と思っている。



「…飲み会？」

「そうなの、真選組広告から誘われて」

「へぇー、凄い。行くの？」

「行ったらゴリラがいるアルヨ」



受付が静かになった頃、
お妙さんが今日の夜、飲み会に誘われている、と話を持ち出した。

なんでも、真選組広告から誘われているのだとか。



「そうなのよねぇ、ゴリラさえ居なければ平和なのに」

「え、どこが平和なの？」



恐らく、お妙さんを愛してやまないゴリラが
どうしても、とお妙さんを誘ったのだろうが。

怖いくらいに一方通行な想いに
少しは同情しなくもない。


「という訳で２人とも、一緒に来ない？」

「行くアル！」

「え、即答？」

「だって、タダ飯アルヨ？」


行かない理由がないネ、と
当たり前のように言う神楽。

私はというと、


「んー、どうしよっかな」

「何か予定でも？」

「そういう訳じゃないんだけど」

「あ、Aはお酒に弱いアルな」

「そうなんだよね」


お酒に弱い体質故に、
行くかどうか悩んでしまう。



「行きましょうよ、折角だし」

「そうアルヨ。こんな機会滅多にないネ」

「んー、そこまで言うなら」





。

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