お酒は飲まない ページ38
、
「…酒、飲まねェのか」
「はい、下戸なので」
あァ、そういえばそうだったな、と隣に立ったのは高杉さん。
ちらりと横顔を盗み見るとたしかに整ってるなぁと思う。
あんまり長く見ているとバレそうなので程々にしておく。バレると面倒そうだし。
「高杉さんは酔わないですもんね、羨ましい」
「そうかァ?」
「私もちゃんとお酒を味わってみたいです」
下戸って結構辛かったりする。飲み会とか行けばいつも帰りのタクシーを手配する係だし。
「お酒が飲めるって、大人になった証みたいじゃないですか。だから私まだ自分が大人なのかどうか分からないんですよね」
「ーーー…お前ェさんは大人だ」
「え、?」
「何でもねェ」
私何か変なこと言ったかな、と少し不安になる。
「高杉の旦那といい感じじゃねェですか」
「やめて沖田くん。そんなんじゃないから」
「いいんですよ、恥ずかしがらなくても」
「恥ずかしがってなんかないから」
何でこの子はいつもからかいにくるんだろう。
っていくかこの子この子言ってるけど、年齢一歳私が上なだけだよね。なんかおばちゃん感出てて嫌なんだけど。
「歳上と歳下だったらどっかが好みですかィ?」
「何それ、聞いてどうなるの」
「いいから」
「歳下って身近じゃ沖田くんくらいしかいないよね。それで私が歳上好みって言ったら沖田くんが嫌みたいになるじゃん」
歳下好みって言ったら沖田くんが好き、みたいになるし。
「その質問変えてくれない?」
「嫌でさァ」
「…酔ってる?」
「…酔ってません」
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Hanavi(プロフ) - ありがとうございます!!!! (2019年4月30日 22時) (レス) id: 5a9b3d8683 (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - めっちゃ面白いです、これからも更新頑張ってください! (2019年4月30日 16時) (レス) id: 9b87fec193 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Hanavi | 作成日時:2019年2月11日 18時