気づいてないのは本人だけ...

45ラッパーその1 ページ45

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ラッパーその1









俺は2年前にデビューしたラッパーだ


久々に俺の思いであるレッスン室使おうと思い、窓口に行く前何となく部屋の前を通ってみた




そしたら中で1人の青年が歌ってたが…





正直びびった





あの感じだとまだ幼いし





デビューもまだしてないんだろう…






でもテクニックだって




ちょっと独特だけど



それがまたいい感じになって素晴らしいハーモーニーを奏でてる…









…上手いっ









きっと彼は、昨日入ったという新人なんだろ



社長が今回の新人がいいって言ってたからな…



俺が知る限りこんな子いなかったしきっとその子だろう…






ここのレッスン室は珍しいことに窓がある




そこが少しでも開いていたら中の音が聞こえてしまうという、



それってどうなんだって思っちゃう部屋なんだけど




別名、公開処刑の部屋




だからあまり使われることないんだけど…






だから俺は勝手に使えると思い込んでたが…








その青年の歌に聞き入っていると、









ABC男｢｢先輩、こんばんはっ｣｣









研修生で俺の後輩くんたちが来た。









『あぁ。…お前たちもしっかり練習しないとデビューが遅れるだけだぞ』







俺がそう言うと少し怒ったように






C男｢なっ…そんなこのねぇーっすよ。

先生からもお墨付き貰ってるんで。

すぐ先輩と同じとこ行くんで。｣





はぁ…





分かってないな…





『…彼の歌聞いても…そんなこと思うのかい？』






すると後輩たちは





A男｢中のヤツが歌ってんのいい曲っすね。先輩が教えたんですか？｣





B男｢なんか変な歌い方だけど…癖になる感じっすね。｣








『…彼昨日入った新人らしいよ？

多分、曲も自分で作ったんだろうし歌い方も独学だろうね。

きっと彼の方が先にデビューするんだろうね。

…いいもの聞いたから俺は帰るよ。お疲れ様。』









彼のおかげでなんかいい感じの曲が出来そうだ。


さっさと帰って作ってみようかな。









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