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誘惑王子70 ページ23

なずな「それでか....」


レオ「公開処刑だ...」




苦笑いを浮かべるナズに「よしよし」と慰められる


Aって一見穏やかで紳士だし、あだ名の通りの『誘惑王子』だけど....


実際は駆け引き上手の悪戯っ子だよな





A「もう行くね。...ちゃんと授業に出るんだよ?」



なずな「いや、それAちんが言うなよ!?」



A「こう見えて、ちゃんと考えてるんだよ?.....ふわぁあ...ふ...」




言ってる側から...と呆れ顔をするナズ



だけどその表情には、『愛おしさ』も入り混じっている




....もっと、もっとAにアピールしないと...





うかうかしてると、誰かに取られちゃう






レオ「じゃーなA!って言っても、すぐにばったり会っちゃうと思うけどな。わははは...☆」




ナズ「レオちんも出席日数やばいだろ!そんな事言ったっておりぇが逃さないぞ...」




A「...仲良くね...?」





にこ、と目を細めて笑う


その表情はとても綺麗だけど、なんだかいつもより幼く見えた



教室を出ていったAは、やっぱり自分の教室を通り過ぎる




...あっ、セナに捕まった





がるるる...セナまでおれのAを...!!!






.







A「えー.....座学は好きじゃないし...」




泉「好きとか嫌いとかじゃないの!あんたはアイドルの成績だけで十分だろうけど、少しくらい出なよねぇ。もう先生に目つけられてんじゃないの?」




A「だとしても嫌だなぁ...」





いつもより間延びした、ふわふわした雰囲気のA



逃げないように腕を掴めば、ぐいぐいと俺の腕ごと動かして地味に楽しんでいる




......何か今日のA、可愛いくない?





そんな事を思ってる内に、掴んでいたはずの腕が無くなっていて



ホームルーム開始のチャイムの音と同時に、俺の体はふわりと包み込まれてしまった






A「...いい子の泉は、授業に出るんでしょう?



...ふふ、俺は勉強よりアイドルの方が好きだな...♪」




真面目なのは性に合わないから...なんて告げると、俺の背中に回していた腕を離す



ぽんぽん、と髪が崩れない程度に頭を撫でられたかと思えば、






A「じゃぁね、可愛い騎士様。......次のライブじゃ、俺の方がらしくなっちゃうかもね」



泉「....は...それどういう意味....っ!?」





指先に口付けて、色気のある瞳でお茶目にウインクをする




状況の整理が追いつかず、やっとの事で絞り出した俺の声は、チャイムの音でかき消されてしまった





泉「....あぁもう....っ」

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作者名:朝凪世一! | 作成日時:2020年5月1日 15時

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