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誘惑王子69 ページ22

A「......わっ....なぁに?突進してくると危ないよ〜...」



「にゃ〜」





レオ「....!!?」






咄嗟に物陰に隠れて、猫を撫でているAを見る



猫と会話してるA可愛い....




薄紫の瞳を細めて、少しかかる前髪の奥で微笑む


しなやかな手が顎の下をするりと撫で、それにすり寄っていく猫




その小さな体を抱き上げたかと思えば、愛おしそうな視線を交わして、また綺麗に微笑んだんだ





.......すごく、羨ましい。





おれはAのことが好き。だから触れたいし触れられたい。



...あんな風に見つめられて、その甘い声で囁かれたい









Aにもっと、愛されたい。




そう思ってる内に、ポケットを弄って取り出したスマホを構える



できるだけ音は出さないように...





レオ「.....〜っ!.......やっぱり、あの顔可愛い...」




カシャ、と無機質な音が鳴る



画面に収めたAの姿は、やっぱり綺麗だった





拡大して眺めていると、ふと、すぐ上から声が聞こえた







A「ふふ...♪...盗撮してる悪い子みーっけ。



...ねぇ、レオ。そんな写真撮ってどうするの?今俺の目の前で....そのお口で言ってごらん...?」



レオ「あっ.....A....っこ、これはな!?えーっと....」





落としそうになったスマホをポケットに突っ込んで、どうにか言葉を紡ごうとする




さっきまで欲しかったその視線がいざ向けられると、次第に小さくなっていく声



ちらりとその目を見れば、まだ朝だというのに、薄紫色の中におれを映して、妖しく光る




羨ましいと言ったAの手が、今、おれの顎の下をするりと撫でて、頬に添えられる




ただでさえうるさい心臓が、また早くなった





A「......もしかして、俺に言えないような事、考えてた?」




レオ「...か、考え.....てない...けど....」




A「本当?.....じゃぁ、俺に何して欲しい?



このまま何事も無かったように見逃す、か。大人しくお仕置きされるか。...ふふ、ちゃんと選べたらご褒美あげる...♪」





耳を擽るような低く甘い声



慌ててポケットに突っ込んだままの手に、Aの手が重なる





心臓の音がうるさい。Aの手は冷たいのに、顔が熱くなる。








.....Aの『誘惑』





あれだけ求めていた視線に耐えきれず、自然と口走っていたのは...





レオ「お...お仕置き...で」




A「よしよし...反省できるの偉いね...♪」





そして、おれはお姫さま抱っこで3ーBの教室まで運ばれた((

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作者名:朝凪世一! | 作成日時:2020年5月1日 15時

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