真選組の常識人は坂田さん【銀魂】

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『…っ……な、』






Aちゃんを腕に抱いたまま、俺は目を見開いた




目の前に広がっていたのは、無惨に散った人と、血だまりであったからだ

そして、そこに立つのは、木刀を握り締めた一人の男

返り血すら気にせず、その男は確かな足取りで俺の元に来た







『……A』






悲しそうに、愛しそうに呟いたそいつは、割れ物に触れるかのようにしてAの頬をなぞった






『…すまねェ…A…』





そう万事屋が呟いた時に、またあの下賎な男の声が響く





『…な、何なんだ急に…!何だお前は!!!』


『テメェか』

『な、』

『テメェが、こいつに手ェ出したのか』





Aから手を離し、また木刀を強く握り締めて、その男の元に歩み寄る万事屋

男は肩を上下させ、酷くびくつく



俺はそこで慌てて声をかけた






『よ、万事屋!!そいつを殺すのはやめろ!!
確かにAちゃんにこんなことをしたのは許せねェ…絶対に許せることじゃねェさ…
だが、お前は違っても俺たちゃ警察だ
そいつを、正しく裁かねェといけねェ
Aちゃんのためにも…Aちゃんの、友人のためにもだ』






俺がそう言い切ったところで、扉から総悟と新八くんとチャイナ娘が慌てた様子で駆け込んできた







『……万事屋、その木刀おろせ
俺たちには、俺たちのルールってもんがあんだよ』







トシの言葉に万事屋は酷く悲しそうな顔をし、腰に木刀を差した

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