Honey Citrus ５

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「＿＿＿ちゃん、」



「……。」



「姉ちゃん！おーい！！」



「へっ！？……あぁ、ごめん…」



「はぁ、旅行中なのに何暗い顔してんの〜？」






裕太に呼ばれてたのに気付かなくて

慌てて謝ったら呆れられた…





年に数回の家族旅行。




お父さんの運転で

熱海の温泉に向かってるんだけど





「仕事上手くいってないの？

　温泉入ったらきっと元気出るわよ！ね！」



「お母さん…えっと、そういう訳じゃ無いんだけど…」






会社の先輩二人から告白されてて

自分のせいでややこしい事になってる、なんて




この車内にいる人に話せるわけ無い！
(※ 父、母、弟)







「あ〜お父さん、運転疲れたら代わるから言ってねー…」





おーう、なんて呑気な返事を聞いて

また窓の外を見て溜め息。




ずっと頭に浮かんでるのは

昨日の夜のことで…








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「……っ、…///」




押し当てられた柔らかい感覚に

一瞬で全身の力が抜けそうになって。





し、心臓飛び出そう……っ//




思わず藤ヶ谷さんの背中に回してる手に

力が入っちゃった瞬間






「……っ、…え……、///」



「…ん。

　流石にこれ以上は、さ」





あ、あれ……？//



そーっと顔が離されて

また視界が少し明るくなったと思ったら





「酔った勢いなんて、お互い後悔するよな」


「藤ヶ谷…さん……？//」





おいで、って伸ばされた腕に抱き起こされて





「ごめん。俺が悪かった、」




そう言って謝る藤ヶ谷さんに

子供みたいに頭ポンポンされてる。






……え、


私…今、



藤ヶ谷さんが止めなかったら

ど、どうなってた……？







起き上がってハッキリとした意識で考えた瞬間





「わ、私の方こそ…っていうか、私が全部悪いです！！

　藤ヶ谷さんは悪くないです！！ごめんなさい！！！」





き、消えたい…！！！



慌てて思いっきり頭を下げて藤ヶ谷さんに謝った。





もう、ホント私何やってるんだろ……っ、






「そんな全力で謝っちゃう…？」


「えっ…？」



「Aらしいと言えばそうか…」





勝手に何かを納得して

フッて力が抜けたように笑った藤ヶ谷さん。





私が聞き返す間もなく、

はぁ〜〜って珍しく溜め息をついて






「やば、眠い……、」




ん？


ねむ…？






余程無理してたのか


私の肩にズン、って怠そうに頭を預けてきた所で

意識を手放してしまいました…





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