Honey Citrus ５

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「あ、こっちこっち！」



「結衣…！ごめん遅くなって……っ、」



「こっちこそLINE気付いてなくてごめん…！」





慌ててタクシーから降りて

お店の外で待ってた結衣に駆け寄る。






すぐ横のベンチには…





「藤ヶ谷さん……っ、」



「ん…A……？」





顔上げて、私が来たのに気付いて。




ぱちぱち、って瞬きしてて

なんか眩しそう…




しばらくして、またベンチにもたれかかったまま

目閉じちゃった…。







「Aに電話した後さ、

　私が藤ヶ谷さん送ってきます〜♪って皆こぞって言い出して大変だったよ〜…」



「そ、そうだったんだ…ごめんホント、」



「ごめんじゃなくてありがとでしょ？」





コソッとそう言ってきて笑う結衣。




まだ何も話せてないのに…







「…もしかして、藤ヶ谷さんと何かあった？」



こうやって、結衣の方から気使って聞かれる始末。






心の中で申し訳ないと思いつつ





「…告白された、」



「え！ホント！？

　おめでとう……じゃ無さそう？その感じだと、」





全部お見通しの結衣には

もう何も隠すことなんて無くて。




北山さんからも先に告白されてたこと、


まだどちらにも返事出来てないことを伝えて





「ごめん…また改めて話します、」



「うん。わかった。

　とりあえず今日はその藤ヶ谷さんなんとかしな！」




笑って背中ポン、って押してくれた結衣。






「Aが戻ってこなくて…ヤケ酒？しちゃったから(笑)」



「え…？」



「あ、でも煽ったの岩井さんだから。そこは言っとく。」





な、何それ…






胸の奥がモヤモヤしたまま





「藤ヶ谷さん、起きれますか…？」


「…ん、ごめん。」




しゃがんで顔色伺ったら

無意識か知らないけどまた謝ってきた。






「謝るならこんな酔わないで下さいよ……っ、」



「……、」



「タクシー来てるので…、

　はい、掴まってて良いですから！」





何も聞こえてなさそうな藤ヶ谷さんの左腕を

自分の肩に回して。






「じゃあ、また来週ね……っ、」


「うん、気を付けて！」





結衣にもう一度頭を下げてから

藤ヶ谷さんとタクシーに乗り込んだ。







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「…外で潰れたこと無い、って言ってたじゃないですか。」




車の走行音と、小さくかかってるラジオの音だけが響く車内。






隣には、背もたれに身体を預けたまま

ボーッと外を眺める藤ヶ谷さん。

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