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結衣と代わって電話に出た藤ヶ谷さんの声が
なんだか凄くふにゃっとしてて。
「あの、もしかして藤ヶ谷さん酔って……っ
「A、………会いたい、」
聞こうとしたら
返ってきた小さな声。
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『じゃあ今日着いたらAの隣座ってていい?』
『ご、ご自由にどうぞ…///』
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会社を出てくる時に交わした会話を思い出して
またぎゅ…って胸が締め付けられるような感覚。
「戻ってくるって言ってたのに…」
「…す、すみません……っ、」
「あ…俺がごめん……、」
電話の向こうからすぐ《ごめん》が返ってきた。
酔っててもそこは藤ヶ谷さんなのね…
いつもの低くて艶のある声じゃなくて
「あの……っ、大変そうなら私今から…
「一人で帰れるから大丈夫、
…慣れてるよ、」
どこかへ消えちゃいそうな声が頭から離れなくなって。
「慣れてるって…」
頭の中が真っ白になって
鏡に映る自分と目が合う。
今から北山さんとまだ一緒にいようと思ってたのに。
…どうする?私。
ちゃんとした答えを出すべきなのに
「あ、もしもし?もうこんな感じで、
藤ヶ谷さんずっと……っ
「結衣、今から行くから待ってて!」
藤ヶ谷さんから気持ちを告げられた時に
その手を振り解けなかったのと同じ、
また私は北山さんから離れるような選択をしてしまう。
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「北山さん…ごめんなさい、
私…か、帰ります!」
「…急にどうした?」
慌てて席に戻ったら
北山さんもう会計済ませちゃってて。
それも申し訳ないけど
「まさかとは思うけど……藤ヶ谷?」
「…連れてって欲しいって結衣から連絡来て……っ、」
北山さんにこんな顔させちゃうことが物凄く辛い。
「あの、ホントに……すみません……っ!」
大きく頭を下げて
北山さんから逃げるようにお店を出た。
次どんな顔して会えばいい?
っていうか、次なんてあるの?
流石に呆れたよね…
頭では北山さんのことを考えてるのに
足は逆方向へ向く私。
「おい佐藤…!」
「……っ!//」
お店の外で私を捕まえて
自分の方へ振り向かせた北山さん。
もう何言われても仕方ないって思ったけど…
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「…行っていいから
週末は俺の家来い。」
返ってきたのは
思ってたのと違う答えだった。
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Hana.(プロフ) - hikasanさん» hikasanさん初めまして!お読み頂きありがとうございます(^_^)/! 北山さん派なのですね!!!完結まで明言は出来ないのですが、北山さんへの応援の気持ちをしっかり受け止めて書かせて頂きますね^^ ぜひまたコメントお待ちしております! (2021年1月26日 22時) (レス) id: 0fb7ae82d8 (このIDを非表示/違反報告)
hikasan(プロフ) - 楽しく読ませていただいてます北山くん落ち希望です、更新楽しみにしてます!! (2021年1月8日 22時) (レス) id: 04d1eab68a (このIDを非表示/違反報告)
Hana.(プロフ) - なっちゃんさん» なっちゃんさん、あけましておめでとうございます〜!長らく空いてしまったにも関わらず、こうしてコメント頂けること、本当にありがとうございます(><) こちらこそいつも本当に感謝感謝です…!ここから完結まで、また見守って頂けたら嬉しいです(^_^) (2021年1月4日 22時) (レス) id: 0fb7ae82d8 (このIDを非表示/違反報告)
Hana.(プロフ) - ぽむさん» ぽむさん、ご無沙汰してます!そして、あけましておめでとうございます!久々の更新となってしまい本当に申し訳ないのですが、とても温かいお言葉、ありがたい限りです(;_;)いつもとっても励まされてます(;_;)今後もぜひぜひよろしくお願いします…! (2021年1月4日 22時) (レス) id: 0fb7ae82d8 (このIDを非表示/違反報告)
なっちゃん(プロフ) - あけましておめでとうございます。そして、おかえりなさい。また、主人公ちゃんと藤ヶ谷さんと北山さんに会えるのかと思うと、とてもうれしいですー!ご自分のペースで楽しみながら書いてくださいねー。いつもドキドキとキュンをありがとうございます! (2021年1月3日 10時) (レス) id: 14913c4d63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Hana. | 作成日時:2020年8月15日 23時