Honey Citrus ５

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「とーにーかーく、会社出るとき俺に連絡しろよ？」



「え、何でですか…？」



「何でもいーだろ。

　連絡無かったら怒るからな、」



「何言ってるんですか……っ、」






返事は、って言われて

渋々『はい』が出てきちゃう私も私だけど…。







「あ、北山さん…！

　最後報告書の確認だけお願いします……っ、」



「ほーい。

　んじゃ、また夜な。」





コロッと仕事モードの顔に切り替わって

川下さんに呼ばれて給湯室を出ていった北山さん。









「……もう行っちゃった、」





わざわざ遅れることになるの伝えたの


北山さんが……飲み会抜けよう、って言ってきたからなんだけどな…





あの様子だと、覚えてなさそう。




…変な期待するのやめよ。






そもそも、言われた時に冗談だと思って

話はぐらかしたのは私だし…。







「…私もみんなと行きたかったんだけどな、、」




淹れたてのコーヒーを一口飲んで、零れた言葉。







だって、きっとみんなは…







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「よしっ！じゃあ先行ってるね！」



「佐藤さん残るのに、すみません…」




「私の仕事だし、ホント気にしないで…！

　また後でね〜…」






結衣も川下さんも

他の人だって今日は大体定時で上がらせてもらえる。






となると…





「え〜〜！藤ヶ谷さん来ないんですか〜！？」



「行くけど、ちょっと遅れてく…かな？」



「始めからいて欲しかったですよぉ〜〜」




ほら、

残るの私と藤ヶ谷さんだけじゃん！(涙)






「みんな楽しみにしてるので、早めに来てくださいね♪」




相変わらず、横山さんから熱い視線を送られてます…。





っていうか、

この部署には藤ヶ谷さん狙ってる子何人いるんだろ。




他部署の子からの人気は身をもって体感してたけど

身内は考えてなかったな…






少し遠くのデスクで皆から声を掛けられる藤ヶ谷さんを

横目で見つつそんなこと考えてた私。







みんなが去った後もしばらく

静かになったオフィスでデータの修正してたら






「大丈夫そう？」



「藤ヶ谷さん…、」






私の様子見に来たのか、

デスクまで足を運んできた藤ヶ谷さん。






「ごめんね、今日飲み会なのに、」



「藤ヶ谷さんは悪くないですよ…！

　出来るだけ早く仕上げるようにしますね、」





心配して貰えてるのが、ありがたいけど申し訳なくて。






私の返事に、安心した様子で頬を緩めた藤ヶ谷さん。

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