Honey Citrus ５

２０３ ページ19

.





.







「全然英語聞き取れてないし、むしろ日本語で無理やり通そうとしててさ！」



「まぁ、いきなり外国の人に話し掛けられたら私もそうなっちゃうかも…？」



「でね、最後プリーズコールミーワタ、って言った瞬間もう隣で吹いた(笑)」



「それは渉くん面白すぎる……っ」






ランチの時間、今日は結衣と社食に来た。


まだ時間あるから、食べ終わってからそのままちょっと話してて。









いきなり外国の人に話し掛けられたら、か＿＿＿




…北山さんは、持ち前のコミュ力でやり過ごしそう。

なんとなくね？






でもって、藤ヶ谷さんはきっとスマートに対応して…

…あ、でも意外と天然なとこあるからどうなんだろ。






…って。






「あ、相変わらず仲良さそうでいいね……っ、」



「まぁ喧嘩もしょっちゅうするんだけどねー」






…勝手に頭に浮かんでくるの、もうなんで、、




慌てて我に返って、何とか頭の中からかき消した。






「あ〜ごめん！私ばっか話してるよね！？」





Aは最近どうなの、って

いつもみたくニヤニヤしながら聞いてくる結衣。





「私は…えっと…、」





今日は川下さんは体調不良でお休みだけど


…とりあえず、結衣には話しておきたい、、






背筋伸ばして

一呼吸ついて。





「え、何急に姿勢正して…」



「あのね、今から言うこと絶対誰にも言わないで欲しいし

　それ踏まえた上で結衣にしか相談できないんだけど…」



「わーかったってば！ で、何の話！？」





キョロキョロ、って周りを確認して

結衣の方にコソッと顔を近付ける。








「実はね………っ






〜〜〜♪♪






「あ、Aスマホ鳴ってるよ？」



「………ごめん！」






もう〜〜言い出そうとしたタイミングだったのに！




結衣に断ってから、スマホの画面を確認してみたら






あれ、


《北山さん》……？





確か今日は午前中から外回りだった気がするけど…







『さっさと抜け出して別の店行こーぜ？』



「……っ！///」





な、何で朝のこと思い出しちゃうの……//







「……はい、佐藤です…！」





ぎゅ、って目つぶって頭切り替えて


北山さんからの電話に出た。







.







.









「はい、これ頼まれてた資料です……っ、」



「マジで助かったわ、

　鞄の中どんだけ探してもねーからビビった…」





私から資料を受け取って

安心した様子の北山さん。

２０４→←２０２

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す