Honey Citrus ５

２０１ ページ17

.




私を見つめたまま

そんなストレートな言葉を向けてくるのは、


前までは知らなかった藤ヶ谷さんの気持ちが含まれてて。







「わ、わかってます……っ//」



「ん、ありがと。」





フッて白い歯を見せて笑った藤ヶ谷さんで

朝から頭の中いっぱいなのは私です…//






会社の中では今まで通り……なんて、

自分に対する言葉みたいなもので。







.






「おはようございます…、」



「佐藤、今日も藤ヶ谷と一緒に出勤だったじゃん。

　お前らもしかしてそろそろ付き合いだしたり＿＿＿



「い、岩井さん…！からかわないで下さい！！」






もう〜〜これじゃあ私の方が気にし過ぎて

仕事なんて手につかなくなっちゃうよ…




オフィスに入って、藤ヶ谷さんが営業デスクに向かったのを見て

こっそりからかってきた岩井さんに朝からイライラ。







「全くもう……っ、」




本人はさっさと廊下に消えてっちゃって

後から残された私だけ一人で呆れてる。







「結衣も川下さんもまだか…。」



自分のデスクに来ても、まだ周りはガランとしていて。





今にでも聞いて欲しい話が沢山あるのに…







……とにかく、会社では弛んでないでしっかりしなきゃ。






パチッて頬を叩いて

自分のネームホルダーを首からかけて。







「うわ、メール沢山きてる…」



デスクトップを開いて、ひとまずメールの確認から手を付けてたら








「…今日も早いな、」



「わ…！北山さん……！？

　おはようございます……っ//」





はよ、っていつの間にか私のデスクまで来てて

横から現れた北山さん。






……瞬間、ぎゅ…って自分の手に変な力が入る。







「あの…昨日電話！……出れなくてすみませんでした、」



「いーんだよ、気にすんな。」






そう言って、まだ来てない結衣の席に座ってきた北山さん。






…藤ヶ谷さんのこと、


水野さんとの件についてはちゃんと話せたって伝えたいのに







「…昨日のこと、大丈夫か？

　まだ何か気になることとかあったら、俺で良ければ話聞いてやるけど…」





少し話しづらそうに、


それでも北山さんなりに目いっぱい気遣ってくれる言葉に





「……もう大丈夫です！

　流石にビンタとかしちゃって、水野さんに悪かったな〜って反省はしましたけど…」





ホントのことを言えない私。







昨日の夜藤ヶ谷さんといて


それで電話出れなかったなんて…言わない方がいいよね？

２０２→←２００

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す