お兄ちゃんはぬいぐるみ-3rd-【紫】 (ページ32)

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月光下での決意＊流星side ページ32

日が変わる頃

流「ふぅ…。」

望が寝たのを見計らって、
俺はリュウ(望の抱き枕)から抜け出して、
ベランダに出ていた。

ひやっと、冬を告げる風が顔を撫でる。

羽根生えとるし、
身体はふわふわ浮いてる感じやけど、元は人間。

地上界の人たちと感じることは一緒や。

俺は、透き通るような月の光を浴びながら、
右手にある手紙に視線を移す。

流「……。」

俺は今、答えを出さなくてはならない事がある。

でも、考えれば考えるほど…

流「…望…。」

パートナーである望の事を考えてしまう。

でも…俺は……

崇「りゅーせいっ！」

聞き慣れた声。

その声がした方向に目を向けると…

崇「遊びに来たで～。」

そこには、
ふわっとした笑顔を浮かべたはまちゃんがおった。

妹を寝かして、ぬいぐるみから抜け出してきたんやろう。

俺と同じような格好をして、
羽根をパタパタさせてやってきた。

そして、隣に座る。

まぁ、呼び出したのは俺やけど…。

崇「あ、その事について考えてたん？」

流「ん。」

やっぱり、呼び出した理由がわかってるみたいや。

さすが、はまちゃん。

流「はまちゃん、俺…。やっぱり、_________るわ。」

崇「うん。そか。」

はまちゃんはそう答えるだけでそれ以上何も言わず、
夜空に光る月を仰いだ。