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『そん、な………出来、ない………
置いてなんか、行けない……っ』
天探《くはははっ!はははっ、はは!!
その目で何が出来るというのじゃ!?
うぬらの体力も既に限界を超えておる。
うぬらの負けじゃよ。
妾に対しての侮辱………
相応の仕置きをしてやろう!》
鶴丸「!門がっ」
天探女はそれと共に、
強制的に神域の出口を塞ぎ始めた。
術によって、門の扉がギギギッと音を鳴らしながら
ゆっくりと閉まっていく。
天探女は満身創痍の彼らを見下し、高々と笑う。
だが、そんな天探女に対して、
刀剣達はまだその瞳に諦めの色はない。
長谷部は迷う事なく刀身を抜き取る。
同時に四振りが、Aを庇うように前へと出た。
長谷「やれるものなら、やってみるがいい。
俺は、この神域よりも地獄のような
場所を知っているっ。
どれ程貴様が俺を痛めつけようとも、
俺は刃がある限り、貴様に振るう!!」
天探「何………?」
長谷「何度も………何度も何度も。
この体を自分で傷付けてきた。
それでも足りないくらいだ………
償わなければならない罪が、記憶が、
この身を奮い立たせる」
・
長谷「やって見せろよ………!目を潰されようが、
耳を割かれようが、四肢を切断されようが!
俺には効かんぞ。
残念だったなァ?俺で貴様は遊べなさそうだ」
パタパタと、地面に赤いシミを作り、
目から血を流し続ける長谷部は、
天探女をまるで挑発するように
ニヤリと口角を上げて、笑ってみせた。
先程の天探女の攻撃によって、
長谷部に付けられていた枷の鎖が切断されている。
それは、長谷部が万全な状態である事を示している。
そして本丸内にて、
一二を争う程の実力を持つ長谷部。
彼は笑ってみせているものの、
異常な殺気を滲み出していた。
彼は怒っているのだ。
…………しかし、その様子を見ていたAが、
よろよろと立ち上がる。
『………手を、出さないで』
発した言葉は制止のものだった。
Aの言葉に、刀剣達は動揺する。
彼女は刀剣達の横を通り過ぎ、
天探女の前までおぼつかない足取りで近づいた。
天探女はそんなAを愛しそうに
とろけたような微笑みを浮かべる。
そして抱擁を促すかのように手を差し伸べて来た。
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冷泉 雪桜(プロフ) - ネコマタさんのちょびひげさん» とても心に来る叫び、届きましたー!!いつもありがとうございます。今回は主人公の成長とバラバラになっていた本丸の刀剣達が一つになりつつある描写が書きたかったので、楽しかったですー! (2021年8月31日 20時) (レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
ネコマタさんのちょびひげ(プロフ) - 鶴丸さん滅茶苦茶に体張ってましたね。いやみんなMVPですけれども!(ほんと誰目線なんですかねすみません)でも、腕とか目とかほんとドキドキしっぱなしでした…。なにせ白焔シリーズが……ハハッ。大好きですけどね!白焔シリーズ!!!ふう…。怒濤の長文失礼しましたっ! (2021年8月31日 20時) (レス) id: d3a88c7d37 (このIDを非表示/違反報告)
ネコマタさんのちょびひげ(プロフ) - はい、ほんとうに成長していました…。随分長く見守っていたからか、なんだかもう親のごとく号泣させてもらいました。(おま誰目線や)…詩重ちゃん、ほんとうに良かったねえええ!幸せにね!これからも見守らせてね! (2021年8月31日 20時) (レス) id: d3a88c7d37 (このIDを非表示/違反報告)
ネコマタさんのちょびひげ(プロフ) - 冷泉 雪桜さん» はっ、長谷部ええええ!!!!叫んでごめんなさい!!!でもこれは叫んでもいいですか!?なんだかほんのり……あれっ!?思い出しかけてるような……。やはり別個体の神域のなかで、共に別個体の鶴丸と神域仲間の大倶利伽羅がいたからでしょうか…… (2021年8月31日 20時) (レス) id: d3a88c7d37 (このIDを非表示/違反報告)
冷泉 雪桜(プロフ) - ネコマタさんのちょびひげさん» 本当は、神隠しが何よりも怖いものなのに、それを承知でやった所がとても彼女の成長を感じますね。 (2021年8月27日 21時) (レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:冷泉 雪桜 | 作成日時:2021年8月16日 11時