【刀剣乱舞】壱を求める話

391pager【神隠しの戯れ】 ページ2

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信濃「大将！！」









信濃が誌重の異変に気づき、悲痛な声で誌重を呼ぶ。
誌重の体から、黒いモヤが現れ………
シキシキシキと誌重の左目にある
文様が浮かび上がる。

それは、家紋にも似た文様であったが、どこか違う。


そうしている間にも、
膝を着いている誌重の背後にも黒いモヤが
浮かんでくる。









和泉「どうした！？」

歌仙「主っ！？」






『ﾊｧ………ﾊｧ………ｯ、来、る………

早く、逃げ………て』









そして。

誌重の背後に、風穴が開かれる。
その穴から…………スルリと何者かの腕が伸びてきた。
両腕はへたり込んでいる誌重の体を
背後から抱き上げる。

それを始めとし、その腕の持ち主の正体が、
徐々に明らかとなった。









??《くふふふっ、やっと見つけたぞ………
妾の愛し子よ。ようやく、我が名を呼んだなァ？

妾は嬉しいぞ？》






薬研「！？誰だ！！」









姿を表したのは女人であった。
黒い艷やかな長髪に、紫の瞳、そして赤い唇。
妖艶さを感じさせる美しい女。

だが、その女からは強い神気を感じられた
刀剣男士達は、ビリビリと空気を通して
内心で警告音を鳴り響かせていた。


“こいつは、良くないモノ”であり、
“容易に勝てる相手ではない”と。



そんな刀剣男士に目もくれず
誌重を背後から抱き締めていたその女は
愛しそうに頬を赤らめ、
スルリと誌重の頬を撫で上げた。








『ぅ、………！』


??《嗚呼、この陶器のような肌、
絹のような髪、美しい宝玉のように輝く
黄昏色の瞳………そして、
上質なこの霊力の心地よさと、
神をも酔わせる桜の香り………

くふふふっ！この時を待っていた、
憂いやつよのぉ【A】？》








『！！！』









その女人が、誌重の真名を呼ぶ。
瞬間、ビシリと誌重の体は硬直し、動けなくなった。

誌重………いやAは、
その瞳に涙を浮かばせた。


これから自分がどうなるか。
何をされるか。

一度経験したことのあるAは、
よく知っていた。









『ぃ、や………やだ………っ』









刀剣達は何が起きているのか分からない。
ただ、Aの悲鳴にも感じる
その声を聞き、瞬時に抜刀する。









歌仙「その子を離せ！
その人の子は、我々の主だ！！」









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