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俺は大まかに、ここに至るまでの
俺と山姥切の経緯を話した。
俺達が神隠しにあった事、
その際後遺症としてバグを背負う事になった事など。
赤神はそんな俺の話を、静かに聞いていた。
長谷「それで、一つの我儘を………
山姥切を引き取るおつもりであれば、
どうか、あいつを………刀剣男士として、
扱ってください。
そして、あいつを信じ………身を預けてほしい」
赤神「………」
長谷「我々は人とは違います。
決して誰かを慰め、労り続ける為にある訳ではない。
同情をせず、山姥切国広として接して下さい。
記憶を失い続け、それでもあいつは
刀剣としてあろうとしている。
俺は、忘れられたとしても、
あいつの強さを知っています。
だから、どうか」
俺がしてやれることは、これぐらいしかない。
俺は深々と頭を下げ、赤神にそう請う。
あいつを失う訳にはいかない。
冬矢様がそれを望む筈がない。
俺は冬矢様を裏切り、怠慢した罪があるが、
山姥切はまだ………失う訳には。
俺に出来る精一杯がこの有様だ。
情けないにも程があるが、
せめて、あいつだけは。
赤神「………心配なんだねぇ」
長谷「！」
暫くの沈黙の後、赤神は笑って頭を下げる俺の肩に
ポンッと軽く手を置く。
赤神「ﾊﾊｯ、大丈夫だよ。ちゃんと扱うさ。
気持ちは分かるから。
でもそうだなぁ。
これから私が行く本丸は結構大変なんだ。
そんなに心配なら、
君も来るといい。へし切長谷部」
長谷「………は、い？」
赤神「あの山姥切を私はまだ知らない。
知っている君が居てくれたほうが私も助かるな」
今、なんと？
俺も？いや、それよりも………
赤神は、最初から引き取るつもりだったのか？
長谷「俺は………俺は、行け……ません。
山姥切と、共になどは」
赤神「やだなぁ。そんな顔されたら、
連れて行く他ないじゃん。
君達の事、もっと知りたくなった
一緒に来てくれ」
…………まだ。
まだ、俺に………許される余地があるのだろうか。
しかし、俺では。
“まんば。長谷部”
“これからも、一緒に”
かつての主の言葉が、頭を過る。
…………行きたい。
共に、また戦いたい。
お前の背を、まだ俺は追い抜けていない。
今度こそ。
今度こそは………
お前と肩を並べ、生きる事が出来るならば。
俺は、進む事を選びたい。
Episode4、道標
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冷泉 雪桜(プロフ) - 目覚まし時計の針さん» わあ！コメントありがとうございますー！完結したのにコメント頂けるとはっ。ありがたい……この続編、とはまた少し違うかもしれませんが、山姥切と長谷部の話は、今更新中の作品にて登場してます。宜しければそちらもどーぞ！ (2021年11月22日 20時) (
レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
目覚まし時計の針 - 全部一気読みしました…途中で泣きすぎてあの邪神許さねえ、あの家許さねえってなりましたまんばちゃんと長谷部が辛すぎて(´；ω；`)今度こそ間違えないで幸せになってほしいですね (2021年11月22日 19時) (レス) @page44 id: 0727e3cb02 (このIDを非表示/違反報告)
ネコマタさんのちょびひげ(プロフ) - 冷泉 雪桜さん» かわいい子には旅をさせろ精神ですよね。わかります←← (2021年6月2日 17時) (レス) id: d3a88c7d37 (このIDを非表示/違反報告)
ネコマタさんのちょびひげ(プロフ) - もう、なんか泣きそうです……。録さん切なさ過ぎです………。彼らは録さんにとって、大切な存在になっていたんだなと思うと…(..)それに長谷部とまんばちゃんも今は幸せなんだよなって思うと赤神さんの後ろが光って見えるような……（） (2021年6月2日 17時) (レス) id: d3a88c7d37 (このIDを非表示/違反報告)
冷泉 雪桜(プロフ) - 誰だって、過去の誰かに生かされてますのでね。腐った世界から生還した男士には記憶が無くとも、辛くとも、生きてほしいです。(容赦ない世界観に打ち込んだ当事者による言い訳) (2021年5月31日 1時) (レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冷泉 雪桜
| 作成日時：2021年5月19日 9時
