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………そんな事、言われたら。
抵抗なんて出来なくなってしまう。

抵抗していた力を緩め、
私は則宗さんの膝に座り直した。


困ったな。私………









『………私を、助けて…………傷ついた人達が居た。
彼らの傷を見る度に、罪悪感が襲ってくる』


村雲「………」


『神域に居た時、幻覚を何度も見せられていた。
大切な人が目の前で、
あの神の手によって死んでいく。
そこに、ここの本丸の刀や赤神さんも含まれていた。

朝、目が覚める度に………
また幻覚を見せられているんじゃないかって、
とても………不安になる。
それで自然に、心を閉ざしてしまいそうになる』


山鳥「…………」


『未だに怖い。都合のいい夢を、
見ているんじゃないか、とか………
疑心暗鬼になってしまうのが、とても辛い。

───とても、怖い………』









不思議だ。今まで、こんなにもスラスラと、
何が不安なのか、怖いのか………
言葉にして口に出来た事なんて、なかったのに。

話せている自分に驚いている。
あれ………?私こんな不安とかしていたのか。
分からなかったな………


言葉にして、口に出すなんてしたことが無かった。
抱えるばかりだったから。









一文「………そうか。よく話してくれた。
お前さん、中々に難儀だなぁ。
その顔を見るに、自分でも気づいていなかったか」


『………そうみたい、です』


一文「大丈夫だ。そんなに怖がらないでくれ。
刀と言っても、お前さんが手に持つモノは、
僕らの柄の部分だぞ」


『?』


一文「柄は刀の持ち手の部分。
お前さんは我々の所有者だ。
危害を与える者なぞおらんよ。

だから、触れても大丈夫だぞ」









何となく、則宗さんが言いたい
言葉が分かった気がした。
神は怖い。そう胸に刻んだ記憶は、
二度と変わることは無い。今だって恐ろしい。

でも、ここに居る彼らの事は、
何故か受け入れる事が出来た。


私もずっと不思議だった。
だが神域で、彼らが私を見つけてくれたた時に
気づいたのだ。



彼らは私にとって“神”とはまた別のモノであると。
彼らは“物語”だ…………
これまで、彼らが持つ一つ一つの物語に
触れて、感じて来た。




形は違えど私と同じような魂を持った者達。
………そうだな。もう、怖がる必要もなくなったんだ。
大丈夫………私は独りじゃない。









Aside〜end〜

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ネコマタさんのちょびひげ(プロフ) - 冷泉 雪桜さん» 確かにそれは名案ですね!彼に任せてしまったら、生きていた歴史は愚か本当に存在事消えちゃいそうですね笑(当人からしたら笑えないでしょうけれど) (2021年9月30日 17時) (レス) id: d3a88c7d37 (このIDを非表示/違反報告)
冷泉 雪桜(プロフ) - ネコマタさんのちょびひげさん» そういう刀狩りはとりあえずミシャクジ様に突き出せば解決すると思います() (2021年9月29日 18時) (レス) @page40 id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
ネコマタさんのちょびひげ(プロフ) - 冷泉 雪桜さん» 刀狩りなぞいようものなら、罰当たり過ぎて、天国にも地獄にも行けなさそうてすね。その場で魂消滅しそうですね!輪廻に乗れませんね!! (2021年9月29日 13時) (レス) id: d3a88c7d37 (このIDを非表示/違反報告)
ネコマタさんのちょびひげ(プロフ) - 冷泉 雪桜さん» あーそうですね、最早90振り近くの男士がいますものね。そりゃ大変ですよ。無理しない程度にお体に気をつけてくださいね。(秋の一番の敵は花粉症と美味しい食べ物ですかね!) (2021年9月29日 13時) (レス) id: d3a88c7d37 (このIDを非表示/違反報告)
冷泉 雪桜(プロフ) - ネコマタさんのちょびひげさん» 刀狩りを許すな!!!! (2021年9月29日 7時) (レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:冷泉 雪桜 | 作成日時:2021年8月29日 14時

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