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439pager【見習いの仕事】 ページ11










五虎「ど、どうしよう………」

謙信「どうしよう………?」









『(………?彼処にいるのは、五虎退と謙信?)』









庭の廊下を歩いていた時、
短刀の二振りの姿を見た。五虎退と謙信だった。
二振りは何故か木の上を眺めて、
小さな体でうーんうーんと、腕を伸ばしている。

何かあったのだろうか。









『五虎退。謙信』


謙信「!あ、誌重──じゃなくてA!」

五虎「見習い、さま……!
えっと………お体は、大丈夫ですか……?」


『うん。ありがとう………大丈夫。
それよりも、どうかしたの?』


謙信「それが、ごこたいのとらが、」


五虎「小竜さんの結紐を持っていってしまって……
あの、木の上に………」


『え?…………ああ、本当だ……』









話を聞けば、五虎退の虎の一匹が
小竜の髪を束ねる為の結紐を木の上に
持っていってしまった、という話だったが………
二振りが指差す方角に視線を移せば
確かに結紐が木のかなり高い所に絡まっている。

木は途中まで枝や幹があまり無くて、
つるつるしてる、直立したような
真っ直ぐな木であるヒノキだ。

とてもじゃないが登れるような木ではない。









『子虎って、あそこまで登れるものだっけ……』

五虎「や、屋根を伝って登ったみたいなんです」


『(五虎退の虎達って、
意志と関係なく動き回るんだな………)

………どうにかして取ってみるよ』


謙信「え?だいじょうぶなのか……?」


『体調を気にしてくれてるなら大丈夫だよ。
式神を使えば多分取れるから』









そう言いつつ、ポヒュン!と
式神の鴉であるシロを召喚する。
シロは白翼をはためかせ、あっという間に
木に絡まっていた結紐の所まで飛んで行き、
咥えて持ってきてくれた。

それを見て、二振りはパァッ!と目を輝かせる。









シロ《クー。》





謙信「すごい!かっこいい!!」

五虎「見習いさま、すごいですっ」


『大したことはしてないよ。
はい。これでいい?切れてはいないと
思うけど……』


五虎「はい!ありがとうございますっ。
小竜さんからは“気にしないで”と
仰ってくれてましたが、申し訳なくて………」


『そうなんだ。なら早く届けないと。行っておいで』


謙信「ごこたい!ぼくもいくぞ!」

五虎「ありがとうございました、見習いさま!」









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ネコマタさんのちょびひげ(プロフ) - 冷泉 雪桜さん» 確かにそれは名案ですね!彼に任せてしまったら、生きていた歴史は愚か本当に存在事消えちゃいそうですね笑(当人からしたら笑えないでしょうけれど) (2021年9月30日 17時) (レス) id: d3a88c7d37 (このIDを非表示/違反報告)
冷泉 雪桜(プロフ) - ネコマタさんのちょびひげさん» そういう刀狩りはとりあえずミシャクジ様に突き出せば解決すると思います() (2021年9月29日 18時) (レス) @page40 id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
ネコマタさんのちょびひげ(プロフ) - 冷泉 雪桜さん» 刀狩りなぞいようものなら、罰当たり過ぎて、天国にも地獄にも行けなさそうてすね。その場で魂消滅しそうですね!輪廻に乗れませんね!! (2021年9月29日 13時) (レス) id: d3a88c7d37 (このIDを非表示/違反報告)
ネコマタさんのちょびひげ(プロフ) - 冷泉 雪桜さん» あーそうですね、最早90振り近くの男士がいますものね。そりゃ大変ですよ。無理しない程度にお体に気をつけてくださいね。(秋の一番の敵は花粉症と美味しい食べ物ですかね!) (2021年9月29日 13時) (レス) id: d3a88c7d37 (このIDを非表示/違反報告)
冷泉 雪桜(プロフ) - ネコマタさんのちょびひげさん» 刀狩りを許すな!!!! (2021年9月29日 7時) (レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:冷泉 雪桜 | 作成日時:2021年8月29日 14時

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