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そこで、場面が変わった。
そこは本丸だが、その原型が残されていなかった。

【火災】だったらしい。


その本丸で、審神者がとある刀剣に
罰として焼却炉にあった火の着いた薪火を
押し付けようとした非道な暴虐した行為をする最、
その刀剣が反抗して、審神者が持っていた
薪火を振り払う時に畳や紙に引火したらしい。


手入れもされていなかった刀剣達。
逃げる気力も力も無かったようだった。

幸いにも明石さんは生き延びていたらしい。
………けど、手入部屋に居た
来派の二振りは…………









『(ひど、い………)』


??「これは…………チッ遅かったか」


『!(赤神さん、だ)』









長谷「ッ………クッ、誰かー!!
生き残っていないか!!」


切国「全焼、か………主」


赤神「ここの審神者をしばらく
泳がせていたんだけどな………
もっと早く判断すればよかった。
あのクソ審神者。

最期の最期で、死んで逃げるとは」


切国「………」

赤神「クソッ………長谷部、生存者は?」


長谷「いえ。皆、焼けてます。
………申し訳ありません、主」


赤神「こらこら隙きあらば自傷するな、長谷部。
………政府の馬鹿の適当な判決は、
当てにならないからね。
長義にも動いてもらってたけどな………
私の失態だ。お前達のせいじゃないよ」









明石さんが居た本丸に、
赤神さんも関わっていたのか。

赤神さんの表情は相変わらず
布面で分からなかったが、
口調からして後悔の感情が滲み出ていた。


いくらなんでも酷すぎる。
刀剣の躾けに火を使うなんて。
神を虐げていたにも関わらず、
焼き殺すような審神者。


その審神者は死んだらしいが、
神が嫌いとか苦手とかの問題関係なく、
人道を外れてる。









切国「………!主、あそこに生存者がっ」

赤神「!助けるぞっ」







赤神「君、大丈夫か!
ここの明石国行だね、ここでなに、を───

!!」



明石「ケホッ……だ…………れ……です?」


赤神「き、み………声が、」









焼け野原となった瓦礫の中で、
膝を着いていた明石さんが居た。

赤神さんが駆け寄り、声をかける。
でもそんな赤神さんの声は次第に震えていた。


明石さんの声はガラガラだった。
目を赤くして、声に覇気がない。
直ぐに予想ができた。

彼は叫び続けていたのだ。
それは声を、喉を潰してでも叫び続けた証。

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作者名:冷泉 雪桜 | 作成日時:2021年2月27日 11時

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