†佰伍拾玖† ページ40
私はとりあえずここまでの
経歴を一から話して、
その後、面影様はスケッチブックに
ペンを走らせて自己紹介を始める。
面影「【俺は来派の祖、国行が一振り、面影。
蛍丸と愛染の保護者で明石とは兄弟】」
薬研「嗚呼、来派の出か」
蛍丸「いつも一緒にいたみたい。見えなかったけど」
歌仙「…………で、主が無茶して、顕現させた。
こんなところかな。全く、君って子は…………」
『うっ…………』
薬研「面影の旦那は声は出ねぇのか?」
面影「【喋れない訳じゃない。
ただ二回焼けてるから声の出し方忘れた。
上手く喋れない】」
薬研「成る程な…………」
その時薬研様は少し考え込む仕草を見せる。
…………そう言えば、薬研様は医学に明るいんだったか。
もしかすると、面影様の声も直るのではないか。
そんな私の考えを悟ったのか
薬研様は私の視線に気づくとにっと笑った。
薬研「安心しな。俺も焼けた身だからな。
多分練習すれば普通に話せるようになるぜ?」
蛍丸「薬研、本当?」
薬研「嗚呼」
蛍丸「やったね、面影」
蛍丸様が首をのけ反って面影様を見ると、
ぱぁぁっ!と面影様は心底幸せそうに笑った。
…………こうしてみると、二振り共大太刀なのだが、
ギャップが凄いな…………
面影様の反応はまるで短刀のそれだし。
歌仙「しかし、彼は僕らとは違って本霊だろう?
本丸にいてはまずいのではないかい?」
蛍丸「?どうして?」
薬研「俺達は分霊だ。だから仮に折れたとしても
審神者が鍛刀さえすれば、また戦えるが…………
面影は本体に宿る本霊そのものだ。
今は出陣はしていないが、
万が一折れたら面影の旦那は消えちまう」
面影「!!!!」
歌仙「?面影殿?」
面影「【大丈夫。俺、元々現世に本体残ってない。
本体がないから折れようがない。つまり俺無敵。
だって刀の幽霊で神様だから。何度も蘇る。
俺、最強。それに実戦刀だから、俺強い。
だから俺は蛍丸から離れない】」
蛍丸「…………」
…………なんか何がなんでも
蛍丸様から離れるつもりはないようだ。
スケッチブックのページを何度も開いて
必死に訴えている。
ほら、蛍丸様もちょっと引いてるよ。
蛍丸ガチ勢感が凄すぎる。
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冷泉 雪桜(プロフ) - tomo10260403さん» コメントどうもありがとうございます!薄桜鬼も読んでくださって……感謝でしかないですね!これからもよろしくお願いいたします (2019年9月17日 12時) (レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
tomo10260403(プロフ) - 冷泉 雪桜さまの作る作品の虜になりました!薄桜鬼も刀剣乱舞も一気に読んでしまって、小説を読むのが苦手なほうなのですが、のめり込むようにするすると入ってくる文章に、夢中です! (2019年9月16日 17時) (レス) id: f4aa91fff9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:冷泉 雪桜 | 作成日時:2019年9月6日 1時