†佰肆拾伍†【鏡と蛍の章】 ページ26
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『静形様』
静形「？」
『お気遣いありがとうございます。
でも、静形様も寒いでしょう？
皆で火鉢当たりに行きませんか？』
静形「主ぃ…………」
乱「賛成！！次いでにお餅も焼いて皆で食べよっ！」
前田「わあっ！それはいいですね、行きましょう！」
薬研「ほら、旦那も行こうぜ？」
静形「だ、だが…………俺何かが行っては、
部屋が狭いだろう？」
『平気ですよ、ほら行こう』
そう言うと、ぶわわわわっ！ともう冬になるのに、
信じられないほどの大量の桜吹雪が舞い散る。
静形様は嬉しそうに微笑んでくれて、
私は満足でもうお腹いっぱいだった。
そしてそのあとは皆で仲良くお餅を頂いたのだが、
夕御飯が食べれなくて、
歌仙様からお叱りを受けることとなったのである。
まあそんなこんなで、
新たな仲間と上手くやっていけている。
ただ、折角私の声に答えて顕現してくれていたが、
未だに出陣が出来ていない。
刀にとっては少し苦痛な話だろう。
勿論二振りにはこの本丸の事情も
話してはあるものの、やっぱり少し心残りがある。
でももう少し皆の心の傷を癒せたら。
そう願う日々だ。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
それから暫くして、本丸に新たな来客が来た。
…………ええ勿論、人間ではない。
目の前にいるのは、ニコニコと笑顔を絶やさない、
背の高い美少年がそこにはいた。
短い白髪で、瞳の色も銀色。
それから軍服を纏って背中に長い…………
大太刀を背負った青年。
『…………ど、どちら様ですか？』
??「……………………」
ニコニコ。
笑っているだけの彼は答えようとしない。
本丸の玄関先でずっといるのも何だし、
中へ入れようとするけれど…………
ふるふると首を振るだけ。
とりあえず何か喋って。
そう思ってると、私の反応を見て何か思い付いたように
懐から紙と筆を取り出して文字を書き始めた。
??「【俺の名前、面影】」
“面影”と名乗った彼はどうやら話せないらしい。
ピョコンと赤と緑のアホ毛を揺らしながら
またにっこりと笑っていた。
筆談で話す彼の首にふと目が行く。
そこには酷い火傷痕があって、
真っ白な肌にそこだけがくっきりと見えて
思わず息を飲んでしまった。
私の青ざめた顔を見て、彼は察してくれたのか、
さっと首もとを襟巻きで隠して
ちょっと申し訳なさそうに苦笑した。
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冷泉 雪桜(プロフ) - tomo10260403さん» コメントどうもありがとうございます！薄桜鬼も読んでくださって……感謝でしかないですね！これからもよろしくお願いいたします (2019年9月17日 12時) (
レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
tomo10260403(プロフ) - 冷泉 雪桜さまの作る作品の虜になりました！薄桜鬼も刀剣乱舞も一気に読んでしまって、小説を読むのが苦手なほうなのですが、のめり込むようにするすると入ってくる文章に、夢中です！ (2019年9月16日 17時) (レス) id: f4aa91fff9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冷泉 雪桜
| 作成日時：2019年9月6日 1時
