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†佰肆拾陸† “鏡刀の神” ページ27










??「あ。主!こんなところでどうしたんだい?」








その時、玄関の廊下から声がして、
振り返るとそこには燭台切様がいた。
嗚呼丁度いい所に来てくれた。

多分だけどこの面影って人は
彼らと同じく神様の類いだ。
燭台切様なら何か知っているかもしれない。
そう思って、燭台切様に向かって
声をかけようとした時、彼の言葉によって
呼び掛ける言葉は失ってしまった。








燭台「一人でどうしたの?
また現世の神様から依頼でもきた?」








彼はまるで面影様が見えていないような
そんな言葉を口にしたのだ。

ゆっくりと面影様の方へまた目を向けると、
彼はニコニコと変わらない笑顔を私に送るばかりで。









『い、え…………玄関の、掃き掃除を…………』


燭台「?そうなの?
もうすぐお昼だからほどほどにね?」









__________________









『…………面影様、あなた一体何者ですか』









自室に戻り、私が座ると大人しく着いてきてくれた
面影様はちょこんと私の正面に座った。
私の問いに小首を傾げながら、
私が新しくあげたスケッチブックに
今度は名前ペンできゅっきゅっと何やら書き始める。








面影「【面影】」

『いや、それは分かりましたから』

面影「…………【面影って言う刀の付喪神】」

『んんー!!』








間違いではない。間違いではないが、そうじゃない。
もっと具体的に教えてくれ。

と私は内心頭を抱えることとなる。
当の本人はただニコニコとしてるだけ。
なんだこの神様…………掴み所が分からなさすぎる。
それから彼は筆談を続ける。









面影「【鎌倉時代末期に打たれた、北条家の刀。
刀身に顔がはっきりと写ることから
“面影”と名付けられた。

でも二回焼けて、今は幽霊みたいな存在】」


『焼け、た?』









その後普通に細かく教えてくれたのはいいが、
幽霊みたいな存在…………とは
同じ付喪神である燭台切様の目に
彼は映っていなかったように
他の神には映らない、と言う意味だろうか。

しかし、ここには小狐様や今剣様、岩融様など、
現世に残らない逸話だけの刀剣もいる。
そもそも存在していないかも知れないと言われてる
彼らは姿を保っている。

…………では、神でない私にしか
面影様は見えないのだろうか。

†佰肆拾漆†→←†佰肆拾伍†【鏡と蛍の章】



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冷泉 雪桜(プロフ) - tomo10260403さん» コメントどうもありがとうございます!薄桜鬼も読んでくださって……感謝でしかないですね!これからもよろしくお願いいたします (2019年9月17日 12時) (レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
tomo10260403(プロフ) - 冷泉 雪桜さまの作る作品の虜になりました!薄桜鬼も刀剣乱舞も一気に読んでしまって、小説を読むのが苦手なほうなのですが、のめり込むようにするすると入ってくる文章に、夢中です! (2019年9月16日 17時) (レス) id: f4aa91fff9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:冷泉 雪桜 | 作成日時:2019年9月6日 1時

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