†佰肆拾捌† “鏡の写した世界” ページ29
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『おと、うと？』
確かめるようにその言葉を繰り返し言うと、
彼は深く頷いた。
その時の彼は諦めたような笑みを浮かべていた。
そして彼は長文を書き始める。
次にスケッチブックを見せてきた時は、
文字でびっしりだった。
面影「【俺は江戸時代末期で
焼失してからこの体を得た。
それからただ放浪とするだけの存在となったが、
ある日、俺と同じ付喪神が現れた】」
Aside〜end〜
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面影side
それは間違いなく、来派の刀。
明石国行、蛍丸、愛染国俊がそこにはいて、
俺がいた時代にやって来た。
明石「国俊、何しとるん…………何も見えへん」
愛染「ほぇー国行の眼鏡こうなってるんだなぁ」
蛍丸「目がチカチカする」
面影「(今日も仲良いなぁ)」
勿論三振りは俺が見えていなかったが、
俺は仲間に初めて会えて、一目見た時から
まるで兄弟のように思えた。
三振りはたまに俺がいる時代に来た。
幕末の時代、戊辰戦争…………西南戦争と。
色んな時代にやって来ていた。
明治となった時代は刀を持つことは違法とされ、
いつも“けいさつ”と呼ばれている人間に
追っかけ回されていて、見ていて楽しかった。
それから三振りは時間遡行軍と呼ぶ者達と
戦っているらしい。
愛染「うわっ！！」
明石「ｯ！国俊っ！」
面影「(危ない！！)」
蛍丸「ふぅ、大丈夫？」
愛染「さ、流石蛍丸…………あんな数を…………」
蛍丸「…………？今の大太刀しかやっつけてないよ？」
面影「(危なかったぁ…………)」
三振りの戦っている姿が好きだった。
時に無茶して焦るときがあって、
たまに俺が三振りには知られないように
自身を振るって手伝った時もあった。
彼らが知らないところで、
俺も三振りがその時代にやってくる
その時だけはずっと側にいた。
嬉しかった。
でも、ある時から…………
彼らはボロボロのまま、戦い始めて。心配だった。
面影「(どうしたんだ？何があったんだ！)」
明石「ﾊｧﾊｧ…………」
面影「(皆、息上がってる。早く帰った方がいいっ)」
蛍丸「まだ、いる…………」
愛染「蛍丸、無理するなっ」
いつも傷を作っても、次の時代へ来るときには
すっかり直っていたのに。
ボロボロのままで戦う姿は痛々しくて
見ていられなかった。
疲労を隠せない顔色の悪さ。
気が気じゃなかった。
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冷泉 雪桜(プロフ) - tomo10260403さん» コメントどうもありがとうございます！薄桜鬼も読んでくださって……感謝でしかないですね！これからもよろしくお願いいたします (2019年9月17日 12時) (
レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
tomo10260403(プロフ) - 冷泉 雪桜さまの作る作品の虜になりました！薄桜鬼も刀剣乱舞も一気に読んでしまって、小説を読むのが苦手なほうなのですが、のめり込むようにするすると入ってくる文章に、夢中です！ (2019年9月16日 17時) (レス) id: f4aa91fff9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冷泉 雪桜
| 作成日時：2019年9月6日 1時
