検索窓
今日:16 hit、昨日:16 hit、合計:422,541 hit

†肆拾陸† ページ7








歌仙「確かに、ここで斬っては雅に欠けるな」

『ありがとうございます』








にこりと笑って感謝の言葉で答えると、
また一息入れて、すっと私に向き直る。
…………この目は、よく人を見ている人だ。
澄み渡る美しい蒼の瞳が、私を見つめる。









歌仙「…………成る程、澄んだ霊力だね。
あの庭が一日であそこまで清められた訳だ」


『(庭…………?)』


歌仙「僕は歌仙兼定。持ち主だった細川忠興が
36人の家臣を手討ちにしたことから、
三十六歌仙にちなんでつけられたのが名の由来だ。

君を信じた訳ではないが、
ここは燭台切に免じて手を引こう」


『…………あの庭は、貴方が手入れしていたんですね』









私は先週の事を思い出した。
美しい大輪の牡丹の花が咲いていた庭。
見惚れてしまうほどの立派な牡丹。

彼が、あの牡丹の手入れしていたのか。


私がそれに気づくと、
歌仙様の眉がぴくりと少し動く。









『立派な牡丹でした。
歌仙様はお庭がお好きなんですね』


歌仙「………………」









そう聞くと彼は何も答えなかったが、
少し穏やかな表情になる。

気を許してはいないけど、その様子から本当に
庭が好き何だなと感じた。
するとふと彼は顔を上げて、口を開いた。









歌仙「?燭台切、それはなんだい?」


燭台「え?嗚呼、これ?
さっき来たお客さんからくれたんだよ。
この子の就任祝いだって。五穀セット」


歌仙「客?しかし、あれはどう考えても…………」

『え、ええっと…………』









うわぁ、ややこしい事になったぞ。
そら見ろ、面倒な事になったじゃないか。
稲荷様の気まぐれが大事になってきて、
あわわと狼狽える事しかし出来ない。

とりあえず最初から説明することにした。
と言うかそりゃバレるよ。
あんなド派手に神気撒き散らしてたら
そりゃ気づくよ…………

†肆拾漆†→←†肆拾伍†



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (157 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
504人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

冷泉 雪桜(プロフ) - ブドウ農家の一人っ子さん» 薄桜鬼からすっとんで来てくれてありがとうございます!薄桜鬼の方がネタ切れになって中々進めれる事が出来ませんが、これからもよろしくお願いします! (2019年8月28日 12時) (レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
ブドウ農家の一人っ子 - 薄桜鬼のほうからとんできて一気読みしました・・・冷泉さんの作品は控えめに言ってどれも神ですね(語彙力の喪失) これからも応援しています!! (2019年8月27日 20時) (レス) id: 70ec3f117a (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:冷泉 雪桜 | 作成日時:2019年8月20日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。