†肆拾漆† ページ8
･
『おおおっ！！』
それからしばらく説明をしたあとで、
私の腹の虫が鳴ってしまって、
頂いたお米を炊くことになった。
稲荷様のせいで私の特性貧乏飯が食べれず、
昼御飯を我慢していたのだけれど
目の前にあるのはふっくらと炊き上がった
美味しそうな白米がある。
思わず感嘆な声を上げていると、
燭台切様が手慣れた手付きでおにぎりを握ってくれた。
『わあっ…………いいんですか！？』
燭台「勿論。お米のお返し」
『…………頂きます。はぐっ』
な、なんだこれ。旨すぎる。
噛めば噛むほど甘味を増すお米は何と旨いことか。
何だろう、物凄いマトモなもの食べたような気がする。
↑ホームレスになりかけた貧乏人
燭台「そんなに喜んでもらえるなんて、嬉しいな。
その中にあるおかかは、歌仙君が作ったんだよ？」
歌仙「また勝手に…………」
『えっ、そうなんですね。
すごく美味しいです、歌仙様』
歌仙「………………」
フワッ…………
と、どこからか桜の花弁が舞った。
…………あれ？桜の季節じゃないはずなんだけどな。
今は１０月の筈だし…………
燭台切様が“桜舞ってるよ”と言ったら、
何故か歌仙様が私から視線を反らした。
…………？？どう言う事だろう。
首を傾げていると歌仙様は少し複雑な顔をして
そのまま黙々と作業に取りかかってしまう。
燭台「ﾌｩ…………素直じゃないね」
『あの…………？』
燭台「気にしないで。顔には出さないけど
彼はああ見えて人見知りなんだよ。
人に久々に誉められたから…………」
“しばらくそっとしてあげてね”と苦笑いしながら
燭台切様は私に耳打ちをすると、
歌仙様と同じく作業に戻る。
人見知り…………それにしては容赦ない
太刀さばきだったような気がしたが、
燭台切様から気にするなと言われたので
何も言わないでおく事にした。
『(凄い分かりづらい人見知りだな…………)』
↑人見知り
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
歌仙「…………短刀達があの人の子に気を許した理由が
少し分かったような気がするよ。
彼女は色んなものに対して
いい目を持っているね。雅を分かっているよ」
↑人見知り
燭台「(本人の前で言ってあげればいいのになぁ)」
気は許してはいないけど、
とりあえずおにぎり誉められて嬉しい歌仙。
燭台切の前では本音はぺらぺら。
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冷泉 雪桜(プロフ) - ブドウ農家の一人っ子さん» 薄桜鬼からすっとんで来てくれてありがとうございます！薄桜鬼の方がネタ切れになって中々進めれる事が出来ませんが、これからもよろしくお願いします！ (2019年8月28日 12時) (
レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
ブドウ農家の一人っ子 - 薄桜鬼のほうからとんできて一気読みしました・・・冷泉さんの作品は控えめに言ってどれも神ですね(語彙力の喪失) これからも応援しています！！ (2019年8月27日 20時) (レス) id: 70ec3f117a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冷泉 雪桜
| 作成日時：2019年8月20日 1時
