†肆拾肆† ページ5
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燭台「えっ、どうしたの?
こんなに沢山の食材…………」
『さっきの稲荷様…………
稲荷大明神様に頂いたものですよ。
彼女は豊作の神で、五穀を司る神様でもあるので、
彼女曰く“就任祝い”だそうで。
あ。油揚げ、好評でした』
そう言うと厨にいた燭台切様は
“皆に振る舞う事はあったけど、
位の高い神様にはなかったから緊張したなぁ”と
どこか嬉しそうに笑った。
五個積み重なっていた俵は
おいしいいなり寿司を食べたご機嫌な小狐様が
ここまで運んでくれた。
お米だけでなく、麦・
人間の主食である五穀を揃えて置いてくれたのが
くそ真面目な彼女らしいと思った。
燭台「お豆が切れそうだったから、助かったよ」
『(格好よく“お豆”とか言ってる…………)』
燭台「小狐丸さんもありがとう」
小狐「いえいえ、なんの。
では燭台切殿。夕食を楽しみにしておりますよ」
燭台「OK、任せて」
小狐「嗚呼“
『?』
小狐「…………ありがとうございます」
小狐様はそう言って優雅に私に感謝の言葉を述べて、
綺麗になった髪を翻して、厨から去って行った。
…………礼を言われる事は何もしていないんだけどな。
燭台「…………君、小狐丸さんに何かしたの?」
『…………いいえ?強いて言うなら、
毛繕いをした程度ですよ』
燭台「(あれから誰にも
髪を触らせなかったのに)…………そっか」
燭台切様はじっと此方を見ている。
どうしたのだろう。顔に何かついてるのかなと
首をかしげると燭台切様はゆっくりと口を開いた。
燭台「…………君なら」
『?』
燭台「君なら、あの人を…………」
『(あの、人…………?)』
??「燭台切、今日の夕食は…………」
燭台「!歌仙君…………!」
歌仙「っ審神者!?」
燭台切様が何かを言いかけた時、
背後から聞き慣れない声がして、
振り向くと桔梗色の髪を持ったまたもや
顔立ちがいい神様がそこにいた。
しかし、彼は私の姿を認識した瞬間、
その身を固くした。
そして彼は速やかに抜刀する。
その刃には罅や傷が目立った。
瞳は鋭く光って私を射抜く。
燭台「待ってくれ歌仙君っ!!」
『ッ!!』
見えないほど速く抜刀された瞬間に、
燭台切様はいつの間にか私を庇う形で
目の前に立ちはだかった。
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冷泉 雪桜(プロフ) - ブドウ農家の一人っ子さん» 薄桜鬼からすっとんで来てくれてありがとうございます!薄桜鬼の方がネタ切れになって中々進めれる事が出来ませんが、これからもよろしくお願いします! (2019年8月28日 12時) (レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
ブドウ農家の一人っ子 - 薄桜鬼のほうからとんできて一気読みしました・・・冷泉さんの作品は控えめに言ってどれも神ですね(語彙力の喪失) これからも応援しています!! (2019年8月27日 20時) (レス) id: 70ec3f117a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:冷泉 雪桜 | 作成日時:2019年8月20日 1時